3度目の飲酒運転で控訴審でも執行猶予判決を受けた「将軍の息子」パク・サンミン

三度目の正直?それとも三振アウト?
皆さんは韓国映画『将軍の息子』をご存知でしょうか?1990年に公開されたこの作品で一躍スターダムに上がった俳優パク・サンミンが、またしても飲酒運転で世間を騒がせています。2025年7月16日、水原地裁刑事控訴1-2部(イ・ヘンスク、キム・ジョングン、チョン・チャングン部長判事)は、道路交通法違反の疑いで起訴されたパク・サンミンの控訴審判決公判で、被告人と検察の控訴をすべて棄却し、原審を維持しました。
これで彼の飲酒運転歴は3回目となり、韓国のネットユーザーたちは「飲酒運転三振アウト」と呼んでいます。裁判所は「控訴審で何ら事情の変更がない点などを考慮すると、原審の刑は適正だ」と判示しました。パク・サンミンは昨年10月の結審公判で「10余年前に同種の罪があって反省し決意したが、自分が不足な点を反省し、二度とこのようなことがないようにする」と情状酌量を訴えましたが、法廷は動かされませんでした。
深夜の路地で眠っていた俳優

事件が発生したのは2024年5月19日午前8時頃。パク・サンミンは京畿道果川市内の居酒屋で知人と酒を飲んだ後、泥酔状態で自分のトヨタ車を運転していました。自宅に帰る途中、近所の路地で車を停めたまま眠ってしまい、通りがかりの市民の通報で出動した警察に発見されました。当時の血中アルコール濃度は0.163%で、これは免許取消基準(0.08%以上)を大幅に上回る数値でした。
韓国の芸能界では、このような状況を「골목에서 잠들다(路地で眠る)」という表現で皮肉っており、SNSでは「また路地で眠った俳優」というハッシュタグが拡散されました。パク・サンミンの所属事務所UMIエンターテインメントは「起こってはならないことで心配をおかけして心からお詫びします。俳優本人も心から悔やみ反省しています」と謝罪しました。
1997年から続く飲酒運転の歴史
パク・サンミンの飲酒運転歴を振り返ると、1997年にソウル江南区新沙洞で飲酒運転中に接触事故を起こし逃走した後、警察に捕まりました。当時は「ひき逃げ事故」として大きく報道され、彼の人気に大きな打撃を与えました。その後、2011年にはソウル江南区で酒を飲んで300メートルほど運転し、警察の取り締まりで摘発されて免許停止処分を受けました。
韓国のネットユーザーたちは「江南区は彼の飲酒運転のホームグラウンドなの?」と皮肉っています。特に韓国の芸能界では、飲酒運転を繰り返す芸能人に対して厳しい視線が向けられており、「학습효과가 없다(学習効果がない)」という批判が相次いでいます。パク・サンミンの場合、約14年間にわたって3回の飲酒運転を繰り返したことで、ファンからも「더 이상 옹호할 수 없다(もう擁護できない)」という声が上がっています。
「将軍の息子」から転落した韓国スターの現実
パク・サンミンは1990年、イム・グォンテク監督の『将軍の息子』で映画界デビューを果たし、青龍映画祭と大鐘賞で新人男優賞を受賞しました。この作品は韓国映画史上最も成功した任侠映画の一つとされ、パク・サンミンを一躍スターダムに押し上げました。しかし、度重なる飲酒運転により、彼の俳優生命は危機に瀕しています。
韓国のエンターテイメント業界では、飲酒運転に対する処罰が年々厳しくなっており、特に反復犯に対しては事実上の「出入り禁止」措置が取られることが多いです。パク・サンミンの場合、昨年の飲酒運転摘発前まで演劇『シューマン』で観客と出会っていましたが、現在はすべての活動が中断されています。韓国の芸能界関係者は「세 번째 음주운전은 복귀 불가능한 수준(3度目の飲酒運転は復帰不可能なレベル)」と厳しく評価しています。
韓国ネットユーザーたちの反応
今回の判決に対する韓国ネットユーザーたちの反応は非常に厳しいものでした。主要なオンラインコミュニティでは「집행유예도 아깝다(執行猶予ももったいない)」「연예인 특혜 아니냐(芸能人特権ではないか)」「일반인이었다면 실형이었을 것(一般人なら実刑だっただろう)」という批判的な意見が大多数を占めました。
特に「더쿠(theqoo)」や「인스티즈(instiz)」などの女性向けコミュニティでは、「세 번째인데 또 집유라니(3度目なのにまた執行猶予とは)」「음주운전은 살인미수와 같다(飲酒運転は殺人未遂と同じ)」という厳しい反応が続きました。一方で、一部のファンからは「그래도 반성하고 있으니(それでも反省しているから)」という擁護の声もありましたが、圧倒的に少数派でした。
韓国芸能界の飲酒運転問題
パク・サンミンの事件は、韓国芸能界の飲酒運転問題の氷山の一角に過ぎません。近年、韓国では芸能人の飲酒運転摘発が相次いでおり、2024年だけでも複数の芸能人が飲酒運転で摘発されています。特に注目すべきは、韓国社会の飲酒運転に対する認識が大きく変わったことです。
過去には「술 한 잔 했다고(お酒を一杯飲んだからといって)」という寛大な視線もありましたが、現在は「음주운전은 범죄(飲酒運転は犯罪)」という認識が定着しています。韓国政府も飲酒運転に対する処罰を強化しており、血中アルコール濃度0.03%以上で免許停止、0.08%以上で免許取消という厳格な基準を設けています。パク・サンミンの場合、0.163%という数値は免許取消基準の約2倍に相当し、「완전히 만취 상태(完全に泥酔状態)」だったことが明らかになりました。
復帰への道のりは果てしなく遠く
パク・サンミンが再び韓国芸能界に復帰できる可能性は極めて低いと評価されています。韓国の芸能界では「세 번째 음주운전은 레드라인(3度目の飲酒運転はレッドライン)」という暗黙のルールがあり、これを超えた芸能人は事実上の永久追放に近い処分を受けます。
また、韓国の視聴者たちの道徳的 감수성(感受性)も以前より厳しくなっており、飲酒運転を繰り返す芸能人に対する視線は冷ややかです。パク・サンミンの場合、演技力は認められていたものの、3度目の飲酒運転により「신뢰할 수 없는 배우(信頼できない俳優)」というレッテルが貼られてしまいました。韓国の芸能界関係者は「복귀하려면 최소 10년은 걸릴 것(復帰するには最低10年はかかるだろう)」と予想しており、事実上の引退状態に入ったと見られています。今回の事件は、韓国芸能界の飲酒運転に対する厳格な処罰と、社会の変化した認識を象徴する事例として記憶されるでしょう。