高齢者の立体視機能低下、認知機能障害リスクが最大1.7倍に―韓国最新研究とコミュニティの声

Jun 19, 2025
健康
高齢者の立体視機能低下、認知機能障害リスクが最大1.7倍に―韓国最新研究とコミュニティの声

立体視とは?高齢者の生活にどんな影響があるのか

皆さんは立体視という言葉をご存知ですか?立体視は、両目に映るわずかな画像の違いを脳が高度に処理し、物体の距離や奥行きを正確に感じ取る能力です。年齢とともにこの機能が低下すると、階段の昇降や車の運転、物を取るといった日常動作が困難になり、転倒や事故のリスクも高まります。韓国では高齢化が進む中、立体視機能の低下が単なる視力低下以上の重大な意味を持つことが注目されています。

韓国の大規模研究が明らかにした「立体視と認知機能」の関係

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2025年5月発表の韓国研究(BMC Geriatrics掲載)は、70歳以上の地域在住高齢者1,228人を対象に、ティトマス検査で立体視機能を3段階に分類し、記憶力・集中力・処理速度・前頭葉機能など多角的な認知評価を実施。その結果、立体視が低下したグループは、記憶や実行機能、空間認知など多領域で明らかな認知機能の低下が見られました。統計解析の結果、立体視が悪い高齢者はそうでない人に比べ、認知障害リスクが最大1.71倍に上昇。視力や既往歴など他の要因を調整した上でも、この関連は明確でした。

専門家コメントと研究の意義―脳の前頭葉と立体視の深い関係

研究を主導した金基永(キム・ギヨン)教授は「立体視は単なる視力とは異なり、脳の前頭葉機能と密接に関係している」と強調。今回の研究は、一般高齢者を対象に立体視と認知機能低下の関連性を明らかにした初の事例であり、認知症や軽度認知障害の早期発見・予防に新たな視点を提供すると評価されています。また、原長源(ウォン・チャンウォン)教授は「社会経済的要因や聴力、眼科疾患など多様な変数を統制し、結果の信頼性を高めた」と述べ、定期的な立体視検査の重要性を訴えています。

韓国コミュニティの反応―驚きと納得、そして実体験

韓国の大型掲示板やNaver、Daumなどのコミュニティでは「祖母の視力低下が認知症のサインだったのかも」「立体視検査を定期的に受けるべきでは?」といった驚きや関心の声が多数。ティストリやNaverブログでは、家族の認知機能低下が空間把握のミスや距離感の乱れから始まったという体験談も多く見られます。一方で「高齢者全員に立体視検査を導入するのは現実的か?」という慎重な意見もあり、社会的議論が広がっています。

海外ファンが知っておくべき韓国社会と高齢化の背景

韓国は世界有数の超高齢社会。認知症や健康寿命の延伸は国民的課題であり、視覚と脳機能の関係への関心も高まっています。日本や欧米でも視覚障害と認知症リスクの関連が指摘されており、立体視検査は非侵襲的かつ簡便なスクリーニング方法として注目されています。韓国の事例は、視覚健康と脳健康の密接な関連を再認識させてくれます。

立体視機能低下はなぜ認知機能とリンクするのか?

立体視は単に目の問題ではなく、脳の高度な情報処理が不可欠。特に前頭葉や頭頂葉の機能低下は、空間認知や実行機能の障害と直結します。アルツハイマー型認知症やパーキンソン病患者でも立体視の低下が報告されており、加齢による中枢神経の変化が両者の共通基盤と考えられています。こうした知見は、今後の認知症予防戦略にも大きな示唆を与えます。

実践アドバイス―家族や本人ができること

もし高齢の家族が階段の昇降や運転、距離感の把握に苦労し始めたら、眼科での立体視検査を勧めてみてください。早期発見により、追加の認知評価や適切な介入が可能になります。専門家は、定期的な視覚チェックと認知機能テスト(MoCAなど)の併用を推奨しています。

今後の研究と展望―立体視トレーニングの可能性も

今回の韓国研究は横断的(関連性のみ)ですが、今後は立体視トレーニングや視覚補助が認知機能低下の抑制に有効かどうかを検証する縦断研究が期待されています。高齢社会において、立体視の維持は自立・安全・脳の健康のカギ。皆さんもぜひ、家族や自分自身の立体視機能に注目してみてください。

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