YGのヤン・ヒョンソク、ついに最高裁で有罪確定!5年8ヶ月の法廷闘争の末、B.I薬物事件隠蔽で執行猶予判決

皆さんはご存知でしたか?K-POPの帝王ヤン・ヒョンソクがついに司法の裁きを受けた日
2025年7月18日、韓国のエンターテインメント業界に激震が走りました。YGエンターテインメントの創設者であり総括プロデューサーのヤン・ヒョンソクが、韓国最高裁判所で有罪判決を確定させたのです。この判決は、所属アーティストB.I(本名:キム・ハンビン)の薬物事件を隠蔽しようとした証人強要罪に対するもので、懲役6ヶ月・執行猶予1年が言い渡されました。
最高裁第1部(主審:マ・ヨンジュ最高裁判事)は、特定犯罪加重処罰法上の面談強要などの容疑で起訴されたヤン総括に対する上告審で、原審の判決をそのまま確定しました。この事件は2016年8月に始まり、実に5年8ヶ月という長期間にわたって韓国社会を騒がせ続けてきました。
ヤン・ヒョンソクは判決後、YGエンターテインメントを通じて「今回の最高裁の判決について残念な気持ちですが、謙虚に受け入れます」とのコメントを発表。「今後はより慎重で責任感ある姿勢で本来の業務に専念します」と述べました。しかし、彼が最初に起訴された「報復脅迫罪」については1審・2審ともに無罪が確定しており、検察側が2審過程で「面談強要罪」という聞き慣れない罪名で公訴事実を変更したことに対する不満も表明しています。
事件の発端:ハン・ソヒの勇気ある告発がK-POP界の闇を暴いた瞬間

この事件の中心人物は、元YG練習生のハン・ソヒです。2016年8月、自身の薬物使用容疑で警察の取り調べを受けていた彼女が、iKONのメンバーだったB.Iの薬物購入疑惑について証言したことから全てが始まりました。ハン・ソヒの証言によると、B.IはLSDや大麻などの違法薬物を購入し、一部を複数回にわたって使用したとされています。
しかし、この証言を受けたヤン・ヒョンソクの行動が問題となりました。彼はハン・ソヒをYG本社に呼び出し、証言の撤回を求めたとされています。これは単純に一人のアーティストを守るためだけではなく、YGエンターテインメント全体のブランドイメージと、iKONという当時の主力グループが生み出す莫大な収益を守るための行動だったと考えられます。
当初、ハン・ソヒは証言を撤回し、B.Iに対する捜査は一度終了しました。しかし、2019年6月になって彼女は国民権益委員会にこの事件を告発。権益委員会は2020年に関連資料を検察に送致し、検察の再捜査によってB.I、ヤン・ヒョンソクら4名が起訴されることになりました。この告発は韓国のエンターテインメント業界における権力構造の問題を浮き彫りにする重要な転換点となりました。
法廷での攻防:1審無罪から2審有罪への劇的な展開
この事件の法的な展開は非常に複雑で、韓国の司法制度における証拠の評価基準について重要な議論を呼びました。2022年12月の1審では、ヤン・ヒョンソクは無罪判決を受けました。裁判所は、ヤン・ヒョンソクの発言がハン・ソヒに恐怖心を与えるのに十分であるという犯罪事実が証明されていないと判断したのです。
1審での無罪判断の理由として、裁判部は以下の点を挙げました:①被害者である公益告発者ハン・ソヒの陳述が数回変わった点、②陳述が変わったことに警察の捜査や報道取材が影響を与えたとみられる点、③ハン・ソヒが陳述翻意後に金銭などの対価を期待していた点などです。これらの理由により、証言の信憑性に疑問が呈されました。
しかし、検察は諦めませんでした。2審過程で検察は、ヤン・ヒョンソクに対して予備的犯罪事実として「面談強要」容疑を追加する公訴状変更を申請し、裁判部はこれを許可しました。2審でも報復脅迫容疑については無罪と判断されましたが、新たに追加された面談強要容疑については有罪と認定され、2023年11月に懲役6ヶ月・執行猶予1年が言い渡されました。この判決により、法的な争いは最高裁まで持ち込まれることになったのです。
韓国エンタメ業界の権力構造:大手事務所CEOが持つ絶大な影響力
この事件は、韓国のエンターテインメント業界における深刻な権力の不均衡を浮き彫りにしました。大手芸能事務所の経営陣は、所属アーティストや練習生、さらには元従業員に対して絶大な影響力を行使することができます。ヤン・ヒョンソクとハン・ソヒの面談は、この権力格差が如実に現れた事例と言えるでしょう。
2審裁判部は判決で「代表という立場を利用して陳述の翻意を要求し、これを幇助した」と指摘しました。さらに「これにより薬物捜査は一度終結したが、再開後に処罰が行われることになった」「捜査機関での自由な陳述が制約されただけでなく、刑事司法機能の重大な法益が相当期間侵害された」と厳しく批判しました。
この事件は、韓国のK-POP業界において芸能事務所がアーティストの人生を左右する絶大な権力を持っていることを改めて示しています。国際的なファンの多くは、韓国の芸能事務所がアーティストの私生活から法的問題まで、あらゆる面を管理・統制していることの実態を十分に理解していないかもしれません。ヤン・ヒョンソクの行動は、こうした権力を悪用した典型的な事例として記録されることになりました。
B.Iの転落:有望な若きリーダーから業界追放への悲劇的な物語
この事件の最大の被害者の一人は、間違いなくB.I(キム・ハンビン)です。彼はiKONのリーダーであり、グループの主要な作詞・作曲者として活動していました。iKONは2010年代中期のYGエンターテインメントを代表するボーイズグループの一つであり、B.Iの才能はK-POP業界でも高く評価されていました。
しかし、薬物使用の証拠は決定的でした。KakaoTalkのメッセージ記録には、B.Iが薬物入手に対する興奮を表現した内容が残されており、捜査により彼が2016年3月から4月にかけてLSDや大麻を購入し、その一部を複数回使用したことが明らかになりました。2021年9月の1審では懲役3年・執行猶予4年の判決を受け、両者が控訴しなかったため、この判決が確定しました。
皮肉なことに、ヤン・ヒョンソクがB.Iを守ろうとした努力は、長期的には状況を悪化させる結果となりました。もし最初から透明に対処していれば、B.Iは一定の処罰を受けながらも、キャリアを継続する可能性があったかもしれません。しかし、隠蔽工作により事件はより大きなスキャンダルとなり、YGエンターテインメント全体の信頼性に疑問が投げかけられました。B.Iは2019年にiKONを脱退し、現在はソロアーティストとして活動していますが、彼の名声は永続的に傷ついたままです。
韓国ネットユーザーの反応:正義の実現か、それとも軽すぎる処罰か
ヤン・ヒョンソクの有罪確定に対する韓国国民の反応は複雑でした。多くのネットユーザーは、ついに彼が法的責任を問われたことに満足感を表明しましたが、一方で執行猶予という処罰が軽すぎるとの批判も多く聞かれました。韓国の主要オンラインコミュニティでは、この判決について活発な議論が交わされています。
ネイバーやダウムなどのポータルサイトのコメント欄では、「5年8ヶ月もかかってこの程度の処罰とは」「執行猶予なら実質的に処罰を受けないのと同じ」といった不満の声が多く見られました。一方で、「それでも有罪が確定したことに意義がある」「エンタメ業界の権力者も法の前では平等だということを示した」という肯定的な評価もありました。
特に注目されたのは、この判決のタイミングでした。ヤン・ヒョンソクは最近、BLACKPINKのコンサートで涙を流す姿が目撃され、それがSNSで話題になっていました。一部のネットユーザーは皮肉を込めて「涙は感動ではなく、会社がBLACKPINKにどれだけ依存しているかを悟ったからではないか」とコメントしていました。これは、近年のYGエンターテインメントが数々のスキャンダルに見舞われ、BLACKPINKの成功に大きく依存している現状を反映した反応と言えるでしょう。
業界への影響と今後の展望:YGエンターテインメントとK-POP界の未来
ヤン・ヒョンソクの有罪確定は、韓国のエンターテインメント業界にとって重要な転換点となる可能性があります。長年にわたって絶大な権力を握ってきた大手事務所の経営陣に対する司法の厳格な姿勢を示すものとして評価されています。しかし、多くの観察者は、この判決が業界の慣行に実質的な変化をもたらすかどうかについては懐疑的です。
ヤン・ヒョンソクは現在もYGエンターテインメントの総括プロデューサーとして活動を続けており、執行猶予という判決の性質上、日常業務に大きな支障はないと予想されます。実際、彼は2023年1月に初回無罪判決後にYGに復帰し、2NE1の再結成プロジェクト、BLACKPINK・TREASURE・BABYMONSTER・AKMUなどの2025年活動計画を発表するなど、積極的な事業展開を続けています。
国際的なK-POPファンにとって、この事件は業界の華やかな表面の下に隠された複雑な権力構造と法的問題の存在を改めて認識させる機会となりました。韓国のエンターテインメント業界は世界的な成功を収めている一方で、内部では依然として透明性と公正性の問題を抱えていることが浮き彫りになっています。この事件を通じて、業界全体がより健全で透明な方向に発展することが期待されますが、その実現には時間がかかりそうです。
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