韓国初レズビアン恋愛番組出演者リウォンの騒動と社会の反応

番組出演者リウォンの経歴問題が浮上
2025年4月25日公開の韓国初レズビアン恋愛番組『너의 연애』で、出演者リウォンが過去に成人向け放送BJ(ビデオジャッキー)として活動していた事実が発覚。更に男性との交際歴があることが判明し、視聴者間で真偽を巡る議論が噴出した。番組コンセプトとの整合性に疑問が投げかけられる中、4月29日にリウォン本人がSNSで公式謝罪文を公開し事態が急展開した。
複数の韓国メディアによると、謝罪文では3年間にわたる成人向けコンテンツ配信と6回の「食事デート」を認めつつ、全てスキンシップなしの健全な交流だと主張。制作陣への事前報告怠りを悔いる内容が、朝鮮日報・毎日経済など主要6媒体で報じられた。
謝罪文の核心的内容と矛盾点
リウォンは謝罪文で「2016年から断続的に3年間、有料配信プラットフォームで活動」と認めたが、これが単なる食事配信か性的コンテンツかについて言及が曖昧。特に2024年8月の男性との交際については「性的指向と関係ない個人的な選択」と弁明し、レズビアン番組出演の正当性を主張。
これに対しNAVERブログでは「性的アイデンティティの商業利用疑惑」(blanche15)「制作陣のキャスティングチェック怠慢批判」(juyu0724)などの意見が散見される。一方、一部ブログ(zephyros0)は「LGBTQ当事者でも多様な恋愛経験あり得る」と擁護する声も。

韓国ネットコミュニティの分裂した反応
ディシインサイドでは「レズビアン番組なのに元カレがいるなんて詐欺」という批判的な書き込みが2000+いいねを獲得。一方、インスティズでは「性的指向は流動的」との学術的見解を引用する投稿が話題に。
ネイトパンでは「制作陣が意図的にスキャンダルを仕組んだ」とする陰謀説まで登場。エフコリアでは「過去の脅迫被害を告白した部分に共感」する声が34%を占めるなど、反応が分裂。PGR21では「芸能人のプライバシー権限」を巡る倫理的議論が1000コメント突破した。
韓国社会におけるLGBTQメディアのジレンマ
本件は韓国初のレズビアン恋愛番組という画期的試みが、出演者の私生活問題で炎上した典型例。2023年ソウルレインボーパレード参加者が過去最多12万人を記録するなど表面的な進歩の裏で、依然としてテレビでの性的マイノリティ表現には厳しい視線が存在。
文化評論家のキム・ヒョンジン氏(sabiduria_jkブログ)は「視聴者が出演者に聖人君子を求める矛盾」を指摘。歴史的に「完璧な被害者像」を要求する韓国社会の傾向が、マイノリティ番組に過剰な倫理基準を適用させると分析している。
制作陣の対応と今後の影響
番組制作会社の関係者はFNニュースに対し「出演者の過去経歴確認プロセスを再検討する」とコメント。ウェーブ公式サイトでは視聴者から2万件以上の抗議メールが殺到したが、番組打ち切りは否定している。
しかしハンギョレ新聞のアンケートでは「出演者交代を求める声」が61%に達し、広告主3社がCM放映一時停止を決定。今回の騒動が韓国エンタメ界のダイバーシティ推進に与える影響が懸念される。
性的マイノリティ表現を巡る国際比較
日本との比較では、韓国が「LGBTQコンテンツ=社会的メッセージ性」を強く要求する傾向が浮き彫りに。日本のABEMA『恋する♥アプリ』シリーズではバイセクシャル出演者が自然に受け入れられている事例を紹介し(treewgブログ)、文化差を分析。
教育社会学者のイ・スヨン教授(東亜日報インタビュー)は「韓国では性的アイデンティティが政治声明化されやすく、個人の恋愛が常に集団的代表性を問われる」と指摘。今後のメディア表現の在り方に課題を投げかけている。