出席率100%からゼロ議案まで…韓国・光州・全南基礎議会の驚くべき格差とその舞台裏

みなさんは知っていましたか?光州・全南の地方議会に広がる“極と極”
韓国の光州・全南地域にある27の基礎議会では、2022年から2024年までの3年間、議員全員が100%出席した議会がある一方で、1年にたった2ヶ月しか会議を開かなかった議会も存在します。議案を一度も提出しなかった議員も複数名いました。このような極端な差は、韓国社会で大きな話題となり、ニュースやSNS、ブログで熱い議論が巻き起こっています。2025年7月からは、行政安全部の「ネゴジャンアリミ」システムで、議会活動の情報公開項目が8から27に拡大され、誰でも議員の活動状況を細かくチェックできるようになりました。
この透明性の強化は、市民が自分たちの代表者をより厳しく評価し、変化を求めるきっかけとなっています。
数字で見る議会活動:会議日数・出席率・議案発議のリアル

2022年から2024年の3年間で、最も多く会議を開いたのは全南・長城郡議会(321日)、光州・北区議会(316日)でした。平均すると年100日以上も会議が行われています。一方、3年間で会議日数が200日を下回る議会もあり、活動量に大きな開きがありました。
出席率では全南・咸平郡議会が3年連続100%を記録。光州・東区議会も98.86%と高水準でしたが、潭陽郡議会は92.26%と最低レベルでした。議案発議数では、全南・麗水市議会が396件(1人当たり15.2件)と突出しており、逆に一度も議案を提出しなかった議員も10の議会で確認されています。
このような数値は、議会ごとの“やる気”や市民への責任感の違いを如実に示しています。
コミュニティの反応:称賛と失望、そして怒り
韓国の代表的なオンラインコミュニティ(더쿠、네이트판、인스티즈、네이버、다음、디시인사이드、에펨코리아、PGR21)では、光州・全南基礎議会の格差に対し、多様な反応が見られます。
「出席率100%の議会は本当に誇らしい」「何のために選んだ議員なのか分からない」「幽霊議員に税金を払うのは納得できない」といった批判的な声が多く、特に議案ゼロの議員には厳しい視線が向けられています。一方で、「人口や地域課題の違いもあるから仕方ない」「数より質が大事」と擁護する意見もあり、議会活動の評価軸を巡って議論が続いています。
このような市民の声は、地方自治の質を高める原動力となっています。
なぜここまで差が生まれる?韓国地方政治の文化的背景
海外の読者の皆さんに知ってほしいのは、韓国では地方議会の存在感が年々高まっているという点です。光州や全南は民主化運動の歴史が深く、市民の政治参加意識が非常に強い地域です。そのため、議員の活動がメディアやネットで細かくチェックされ、“ファン”のように応援する人もいれば、強く批判する人もいます。
また、地方議会は国政とは異なり、日常生活に直結する政策を扱うため、市民の関心も高いのが特徴です。議員の活動がSNSで拡散されることで、透明性や説明責任への期待が一層高まっています。
最新データ公開と市民の監視:変化を促す新時代
2025年7月から「ネゴジャンアリミ」では、会議日数、出席率、議案発議数、民願処理件数、政策研究など27項目が公開されるようになりました。これにより、市民は自分の地域の議員がどれだけ働いているかを簡単に比較できるようになりました。
ネイバーブログやティストリーブログでも、議会ごとのランキングや議員の活動分析が盛んに行われており、「議案ゼロ議員はペナルティを受けるべき」「定期的な監査を導入しよう」といった提案も増えています。透明性の強化は、議員にとってもプレッシャーとなり、今後の活動改善に大きな影響を与えると期待されています。
ファンダム文化と地方議会:応援と批判が生む新しい民主主義
韓国の地方議会では、議員や議会自体に“ファンダム”のような応援文化が根付いています。光州・全南のような歴史ある地域では、議員の一挙手一投足がSNSやコミュニティで話題となり、良い活動は大きく称賛され、逆に怠慢な議員は厳しく批判されます。
こうした文化は、単なる批判にとどまらず、地方自治の質的向上や市民参加の拡大につながっています。海外の皆さんも、韓国の地方政治がどれほど“熱い”か、ぜひ注目してみてください。
これからどうなる?市民の力で変わる地方議会
情報公開と市民の監視が進む中、光州・全南の基礎議会にも変化の兆しが見え始めています。会議日数や議案発議数が増加した議会もあり、議員自身も市民の声を意識して活動を見直すケースが増えています。一方で、依然として“幽霊議員”問題や活動格差は残っており、改革を求める声も根強いです。
今後、韓国の地方議会がどのように進化していくのか、市民の熱い視線とともに注目が集まっています。
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