韓国史上最大規模の特別検察チーム、267名で内乱・海兵隊員死亡・キム・ゴンヒ疑惑を徹底捜査

韓国史上最大の特別検察チームの発足

2025年6月12日、李在明大統領は内乱事件、海兵隊員死亡事件、キム・ゴンヒ元大統領夫人の株価操作疑惑を捜査するため、3名の特別検察官を任命しました。これらの捜査は韓国史上最大規模となる総勢267名の特別検察チームによって行われます。検察官、特別検察官補、派遣検察官、特別捜査官、公務員など多岐にわたる人員が結集し、迅速かつ徹底的な捜査を目指しています。

特別検察は任命日から20日以内に検察官補の任命、捜査チームの編成、事務所の確保を完了し、その後すぐに捜査を開始します。法律により、捜査は開始から120～150日以内に終了しなければなりません。

内乱事件特別検察の課題と準備状況

内乱事件を担当する特別検察官の趙恩錫（チョ・ウンソク）氏は、軍事機密の漏洩を防ぐため、検察庁や警察庁、政府の過川庁舎などの官公庁施設で事務所の確保を進めています。民間ビルでの業務は軍事機密漏洩のリスクが高いため、官公庁施設の利用が望まれています。

また、ソウル西大門警察署の旧庁舎も視察し、事務所候補地として検討しています。西大門警察署は新庁舎建設のため、2024年4月から仮庁舎を使用中です。内乱特検チームは特検1名、特検補6名、派遣検察官60名、派遣公務員100名、特別捜査官100名の計267名で構成され、歴代最大規模となっています。

海兵隊員死亡事件の特別検察の動き

海兵隊員死亡事件を担当する李明賢（イ・ミョンヒョン）特別検察官は、2023年7月に慶北・禮川郡での集中豪雨による行方不明者捜索中に急流に巻き込まれ死亡した海兵隊員の真相究明を進めています。この事件には、尹錫悦政権による違法行為や高位公職者犯罪捜査処への圧力疑惑も含まれています。

李特検は元海兵隊捜査団長の朴政勲大佐の弁護人と面談し、事件の捜査妨害疑惑についても調査を進めています。

キム・ゴンヒ元大統領夫人の株価操作疑惑捜査

元大統領夫人キム・ゴンヒ氏の株価操作疑惑を捜査する民重基（ミン・ジュンギ）特別検察官は、ソウル中央地方法院の元部長判事である文弘柱（ムン・ホンジュ）氏と面談し、独立した捜査体制の構築を進めています。

キム氏のドイチェモーターズ株価操作疑惑を解明するための特別検察法が制定され、政治ブローカー明泰均（ミョン・テギュン）氏を通じた不正選挙や人事介入、国政介入疑惑も捜査対象に含まれています。

特別検察補の役割とチーム構成

特別検察補は特別検察官の指揮監督の下、事件の捜査や公訴維持、特別捜査官や派遣公務員の指揮監督、広報対応などを担当し、検事長級の待遇を受けます。内乱特検には6名、海兵隊員死亡事件とキム・ゴンヒ特検にはそれぞれ4名の特別検察補が配置されます。

特別検察補には7年以上の判事、検察官、弁護士経験者が任命されることが法律で定められています。

法曹界と市民の反応

法曹界では今回の大規模な特別検察チームに対し、支持の声と懸念の声が入り混じっています。一部の専門家は、これほど多くの検察官の動員が通常の捜査に遅れをもたらし、既存の捜査機関との調整を複雑化させる可能性を指摘しています。

また、ネイバーやティストリーなどのオンラインコミュニティでは、透明性と正義の実現を期待する声が多い一方で、政治的動機や長期化する法廷闘争への懸念も根強く存在しています。

国際的な視点から見た文化的・政治的背景

国際的な読者にとって、韓国の政治的・文化的背景を理解することは重要です。韓国は過去に政治スキャンダルや軍の政治介入の歴史があり、今回の捜査はその延長線上にあります。2024年の内乱未遂は過去の権威主義的介入を想起させ、海兵隊員死亡事件は軍の責任と政府の透明性を問うものです。

また、元大統領夫人の関与する金融スキャンダルは、与野党間の緊張を反映し、韓国民主主義の深化と改革への社会的要求を象徴しています。

結論：韓国司法監督の歴史的瞬間

今回の三つの特別検察チームの発足は、韓国の司法・政治の歴史における重要な節目となります。史上最大規模のチーム編成で、内乱未遂、海兵隊員死亡事件、元大統領夫人の株価操作疑惑という重大事件の捜査が、法の支配と透明性への国のコミットメントを試すことになるでしょう。

今後数ヶ月で、これらのチームが法的複雑性、政治的圧力、そして国民の期待にどのように対応していくかが明らかになります。国際社会にとっても、韓国の民主主義の進展と司法の挑戦を理解する重要な機会となるでしょう。