NATO首脳会議2025:32カ国が集結、しかし注目はトランプ一人に集中―揺れる同盟の行方

NATO首脳会議2025:トランプが主役となった舞台
皆さん、ご存知でしたか?今年のNATO首脳会議は、32カ国のリーダーが集まっているにもかかわらず、話題も視線もトランプ元大統領一人に集中しています。会場となったオランダ・デン・ハーグのワールドフォーラムセンターでは、事前に議題がほぼ決定され、ルッテ新事務総長は米国との対立を避けるために細心の配慮を重ねました。実際の討議時間はわずか3時間、共同声明も5段落に短縮されるなど、異例ずくめの会議となっています。
前例なき防衛費5%要求―欧州各国の反応

トランプ氏が強く要求したのは、加盟国が2035年までにGDPの5%を防衛費に充てるという前例のない目標です。従来の2%目標を大きく上回り、3.5%は純粋な防衛、1.5%はインフラやサイバー分野に充てるという構想です。しかし、スペインや英国などはすでに「非現実的」と表明し、実現性に疑問を投げかけています。欧州のネットコミュニティでも「アメリカの圧力に屈するべきではない」「象徴的な約束に過ぎない」といった声が多数上がっています。
短縮された会議の裏側―分断を覆い隠す演出
今回の会議は、トランプ氏が長時間の会議を嫌う性格に合わせ、また分裂を表面化させないために、討議テーマを大幅に絞り込みました。ネーデルランド警察は過去最大規模の警備体制を敷き、1億8340万ユーロ(約2917億ウォン)もの費用が投じられています。欧州各国は表向きの「団結」を演出しつつも、ロシアや中東、貿易問題など根深い対立が水面下でくすぶっています。
ロシア・ウクライナ問題とNATOのジレンマ
ロシアのウクライナ侵攻は依然として最大の懸念事項ですが、今回の会議では具体的な議論が避けられました。米国と欧州の間でウクライナ支援の温度差が広がり、トランプ氏はプーチン大統領との対話や支援保留を示唆。これに対し、東欧諸国やバルト三国は防衛費を5%まで引き上げる動きを見せていますが、全体の足並みは揃いません。
韓国の欠席とコミュニティの反応
今回、韓国の李在明大統領は出席を見送りました。この決定について、NaverやTheqoo、Daumなどの韓国コミュニティでは「賢明な判断」「国益優先」と評価する声と、「国際的影響力を失うのでは」と懸念する声が交錯しています。FM KoreaやPGR21では「アメリカの要求に従う必要はない」「独自の安全保障政策が必要」といった意見も目立ちます。
文化的背景:NATOが世界に与える意味
NATOは単なる軍事同盟ではなく、第二次世界大戦後の西側秩序の象徴です。トランプ氏の「アメリカ・ファースト」や多国間主義への懐疑は、欧州やアジアの同盟国に大きな不安を与えています。特に韓国や日本のような米国の安全保障に依存する国々にとって、デン・ハーグでの議論は「同盟が永遠ではない」ことを痛感させるものとなっています。
これからのNATO―分裂か再生か
会議の終盤、最大の焦点は「NATOはこのまま団結を維持できるのか」という点です。5%目標は紙の上では野心的ですが、実現は極めて困難。ロシアやイラン、中東情勢への対応も一致せず、同盟の未来は不透明です。国際政治ファンにとって、2025年のNATOは「一人のリーダーの気分次第で揺れる同盟」という新たな現実を突きつけています。