文大統領起訴から見る韓国社会の深層

Apr 24, 2025
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文大統領起訴から見る韓国社会の深層

事件の概要と検察の立件内容

2025年4月24日、ソウル中央地検は文在寅前大統領を特別犯罪加重処罰法違反(贈収賄)の疑いで在宅起訴した。検察は2018年に当時の与党議員が中小企業振興公団理事長に任命されたことと、文氏の元義理の息子がタイイースタージェット社の常務に特別採用された事実の間に賄賂の授受があったと主張。3年5ヶ月に及ぶ調査の末、217億ウォン規模の不正資金流用を立証したと発表した。
元側近のイ・サンジク元議員も贈賄罪で同時起訴され、政権中枢の関与が浮き彫りに。検察関係者は「公務員の人事権を利用した金銭授受の慣行が組織的に行われていた証拠を確保した」と述べている。

メディアの報道傾向分析

保守系紙・朝鮮日報は「積年の疑問が解明される時」と題し、野党時代から指摘されていた疑惑の実態が明らかになったと強調。一方、進歩系・ハンギョレ新聞は「政権交代後の慣例的な司法リンチ」と批判し、検察の政治的中立性に疑問を呈する記事を掲載。
主要3大地上波ではKBSが検察発表を速報する一方、MBCは「過去政権への集中捜査が政局安定を阻害」とする専門家の指摘を併記。報道各社の政治的偏向が事件解釈に鮮明に表れた。

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ネットコミュニティの反応

ネイバー公式ブログでは「権力の腐敗は左右を問わない」とする中立論が32万いいねを獲得。一方、ディシインサイドでは「進歩政権の偽善を暴いた」とする書き込みが5時間で1500レスを突破。
女性中心のインスタンスでは「娘家族を守るための行為では」とする同情論が27%を占める一方、フォーラムPGR21では「大統領親族の特権意識が招いた結果」と批判する声が過半数を超えた。ネイト판リアルタイム検索語1位を6時間維持し、国民的関心の高さを示した。

法廷外の文化的背景

韓国社会に深く根付いた「チェサン(贖罪)文化」が今回の事件でも議論に。過去政権関係者の相次ぐ起訴を受け「政権が変わる度に前政権を断罪する悪循環」を指摘する声が知識人層から噴出。
伝統的な儒教倫理観と現代法制度の衝突も顕在化。親族への情的配慮が公職倫理に反するとの指摘に対し「家族を守るのは人間の本性」とする反論がSNSで200万シェアされるなど、価値観の対立が先鋭化している。

政治不信と世代間ギャップ

20代のネイバーアンケートでは「全ての政治家が腐敗している」との回答が68%に達する一方、60代以上は「特定勢力への集中捜査」を問題視する回答が54%を占めた。MZ世代の政治離れが加速する中、TikTokでは「#私たちの税金で」がトレンド入りし、若年層の怒りが可視化。
文化評論家は「386世代(60年代生まれ)の理想主義が現実権力と衝突した典型例」と分析。民主化運動の経歴を持つ指導者への失望感が、若年層の急進化を招いていると指摘する。

今後の社会的影響予測

ソウル大学政治学科のキム教授は「保守・進歩の二項対立を超えた政治改革論議が必要」と提言。一方、刑事法専門家は「公職者の家族への就職支援が贈賄罪に問われる前例」として、政界全体の行動様式の変化を予測。
来年控える地方選挙を前に、与党は「権力監視の徹底」を公約に追加。野党は「司法システムの政治利用阻止」をスローガンに掲げ、政局の新たな対立軸が形成されつつある。

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