韓国で衝撃の家族惨劇:父親が息子の誕生日に自作銃で射殺、自宅からは爆発物も発見

誕生日が悪夢に変わった瞬間
皆さんは知っていましたか?韓国では銃器による犯罪は極めて稀で、年間発生件数は片手で数えられるほどなんです。そんな平和な国で起きた今回の事件は、まさに韓国社会全体を震撼させました。2025年7月20日午後9時31分、仁川市延寿区松島のマンション33階で、本来なら家族の絆を深めるはずの誕生日パーティーが血の海と化したのです。
被害者は33歳の息子Bさん。この日は彼の誕生日で、父親のA容疑者(62歳)を招いて家族でささやかなお祝いをしていました。現場には妻と2人の幼い子供、そして友人も同席していたといいます。和やかな雰囲気の中、誰もが予想だにしなかった悲劇が起ころうとしていました。
A容疑者は約2時間ほどパーティーに参加し、普通に会話を楽しんでいたそうです。しかし、「ちょっと外に出てくる」と言い残して一度外に出た後、手に持っていたのは誕生日プレゼントではなく、自作の散弾銃でした。この瞬間から、温かな家族の時間は地獄と化したのです。
計画的犯行の恐るべき実態

この事件で最も衝撃的なのは、その計画性の高さです。A容疑者は犯行現場に13丁もの自作銃身を持参していました。そのうち2丁は現場で発見され、残り11丁は車の中から見つかっています。さらに恐ろしいことに、11丁のうち10丁には既に弾が装填されていたのです。
使用された武器は12ゲージ(口径18.5ミリ)の散弾銃の弾が入るパイプに発射装置を取り付けたもので、A容疑者はYouTubeの動画を見て製造方法を学んだと供述しています。現代のネット社会の闇の一面が露呈した形です。弾丸は20年以上前に狩猟用として購入したもので、合計86発も所持していました。
犯行時、A容疑者は計3発を発砲し、そのうち2発が息子に命中、1発はドアに当たりました。この残酷な行為は、2人の幼い孫の目の前で行われたのです。韓国のオンラインコミュニティでは「子供たちの心に一生残る傷を負わせた」「人として許せない」といった怒りの声が溢れています。
爆発物発見で明らかになった更なる恐怖
事件はこれだけでは終わりませんでした。A容疑者の供述により、彼のソウル道峰区双門洞の自宅からは15個もの自作爆発物が発見されたのです。シンナー入りのペットボトル、洗剤容器、牛乳パックなどに引火性物質を詰め込み、タイマー装置まで設置されていました。
最も恐ろしいのは、これらの爆発物が7月21日正午に爆発するよう設定されていたことです。警察の介入が約7時間早かったため、マンション住民105人全員を無事避難させることができましたが、もし発見が遅れていたら大惨事となっていたでしょう。
A容疑者は取り調べで「家には二度と戻らないつもりで爆発物を設置した。正午に設定したのは住民の被害を最小化するため」と語っています。この発言からは、彼なりの「配慮」があったことが窺えますが、それが余計に事件の異常性を際立たせています。韓国のネットユーザーからは「最後まで自分勝手」「住民のことを考えるなら最初からやるな」といった批判が相次いでいます。
20年間積み重なった家族の確執
では、なぜこのような凄惨な事件が起きてしまったのでしょうか?A容疑者は取り調べで「家庭の不和があった」と述べるにとどまり、詳しい動機については「知ろうとしないでください」と供述を避けています。
しかし、複数の報道によると、A容疑者は20年以上前に妻と離婚しており、その原因となったのが1999年の強姦致傷事件での有罪判決でした。この離婚時に息子が母親の側についたことを、A容疑者は長年恨み続けていたとされています。韓国社会では家父長制の名残が強く、「息子は父親の味方であるべき」という古い価値観が根強く残っていることも、この恨みを深めた要因の一つかもしれません。
近隣住民によると、A容疑者は最近になって帽子を深くかぶって住民との目を合わせないようになり、奇妙な容器を運んでいる姿も目撃されていました。これらは後に爆発物の材料だったと判明しています。韓国のオンラインコミュニティでは「孤立した高齢者の危険性」について議論が活発化しており、「社会的サポートシステムの必要性」を訴える声も上がっています。
韓国社会に与えた衝撃と混乱
この事件は韓国社会に計り知れない衝撃を与えました。韓国は世界で最も厳格な銃器規制を敷いている国の一つで、一般市民が銃を手にすることは考えられないことでした。松島の住民は「韓国で銃撃事件が起きるなんて信じられない」「今でも手が震えている」と恐怖を隠せずにいます。
特に問題となっているのは、オンライン上でのデマの拡散です。A容疑者が中国系帰化人であるとか、被害者が義理の息子だったなど、事実と異なる情報が出回りました。警察はこれらの情報を「事実ではない」と否定していますが、SNSでの情報拡散の速さと危険性を改めて浮き彫りにしました。
A容疑者の元妻が代表を務めるエステ企業も、憶測報道の拡散を止めるよう求める声明を発表しています。韓国のネットユーザーの間では「デマ拡散は二次被害を生む」「遺族の気持ちを考えろ」といった良識ある声も見られますが、一方で野次馬的な興味から事件の詳細を詮索する書き込みも後を絶ちません。
警察対応への疑問と今後の課題
この事件では警察の初動対応にも疑問の声が上がっています。最初の通報から警察が現場に到着するまで約1時間30分かかっており、その間被害者は現場に放置されていました。警察は「容疑者がまだ建物内にいる可能性があったため、特攻隊を待ってから突入した」と説明していますが、韓国のオンラインコミュニティでは「対応が遅すぎる」「もっと早く動けば助かったかもしれない」といった批判的な意見が見られます。
また、YouTubeなどの動画サイトで銃器製造方法が学べてしまう現状についても議論が活発化しています。「表現の自由」と「公共の安全」のバランスをどう取るかは、韓国だけでなく世界共通の課題となっています。
この事件を受けて、韓国政府は家庭内暴力の早期発見システムの強化や、高齢者の社会的孤立を防ぐ支援制度の拡充を検討していると報じられています。韓国社会全体が、このような悲劇を二度と繰り返さないために何ができるかを真剣に考える時期に来ているのです。事件から数日が経った今でも、韓国のネット上では「家族の絆とは何か」「社会の責任はどこにあるのか」といった根本的な問題についての議論が続いています。
エンターテイメント業界への影響と社会の反応
この事件は韓国のエンターテイメント業界にも波紋を広げました。Netflixで配信予定だった銃器をテーマにしたドラマ「トリガー」の放送が延期されるなど、間接的な影響も出ています。韓国では社会的に敏感な事件が起きると、関連コンテンツの自粛が行われることが多く、今回もその例に漏れませんでした。
韓国のオンラインコミュニティでは、この事件をきっかけに「現代社会の家族関係」について深く考える投稿が増えています。特に「核家族化が進む中での高齢者の孤立」「離婚後の家族関係の在り方」「子どもの立場での親への対応」など、多角的な議論が展開されています。
一方で、「このような極端な事件を一般化すべきではない」「大多数の家族は健全な関係を築いている」といった冷静な意見も見受けられます。韓国社会特有の「집안의 체면(家の面子)」を重視する文化や、年長者への絶対的服従を求める儒教的価値観についても再考を促す声が上がっており、この事件が韓国社会の価値観に一石を投じていることは間違いありません。事件の記憶が薄れつつある今だからこそ、韓国社会全体でこの悲劇から学ぶべき教訓を見つけ出し、より良い社会づくりに活かしていくことが求められています。