韓国ゲームの聖地・城南市で“中毒物質”論争勃発!業界とコミュニティを揺るがす社会的背景とは

城南市で何が起きた?“ゲーム=中毒物質”論争の発端
皆さんはご存知でしたか?2025年6月、韓国ゲーム産業の中心地・城南市で“AIを活用した中毒予防コンテンツ制作”公募が発表され、その中で「インターネットゲーム」がアルコール、薬物、ギャンブルと並ぶ“四大中毒”に含まれていました。これに対し、パンギョに集まるネクソン、NCソフト、カカオゲームズなど大手ゲーム企業やファンから「ゲームを社会悪扱いするのは時代錯誤」と批判が殺到。最終的に“インターネット”へと表現修正されましたが、公式な説明や謝罪はなく、業界の不信感が残りました。
“四大中毒”というフレームの歴史と政治的背景

韓国で“ゲーム=中毒”という議論は2013年の「中毒予防管理法」案から始まりました。当時も業界・ファンの強い反発で法案は廃案となりましたが、“四大中毒”という枠組みだけは行政や一部の政策文書で生き続けています。今回の公募もその流れの延長線上にあり、ゲームを社会病理とするレッテル貼りへの反発が再燃した形です。
業界・コミュニティの反応:SNS・掲示板での怒りと失望
カカオゲームズ元代表・ナムグンフン氏はSNSで「ゲーム企業が集まる城南市でこの表現はあり得ない」と指摘。NaverやDaum、インスティズ、ディシインサイド、FMコリア、PGR21など主要コミュニティでも「自分の街の産業をなぜ潰すのか」「ゲームだけ悪者扱いは不公平」といった声が多数。Nate PannやTheQooでは「またゲーム狩りか」「本当に時代遅れ」といった失望や諦めのコメントも目立ちました。
政府・医学界・学術界の立場と社会的分断
WHO(世界保健機関)は2019年に“ゲーム障害”をICD-11で正式な疾病と認定。韓国政府も疾病分類(KCD)への導入を検討中ですが、文化体育観光部や多くの専門家、業界は「科学的根拠が不十分」「経済的損失が大きすぎる」と慎重姿勢。精神科医の間でも「ゲーム依存は他の問題の二次症状」「過度な医療化は逆効果」といった意見が多く、国論は大きく割れています。
城南市の対応と残る疑問
批判を受けて城南市は公募要項の“インターネットゲーム”を“インターネット”に修正。しかし公式な謝罪や詳細な説明はなく、「国の指針に従っただけ」という姿勢に多くの市民・業界関係者が納得していません。パンギョのゲーム企業が地域経済を支える中、行政の認識不足や配慮のなさが改めて問われています。
韓国におけるゲーム文化の特殊性
海外の皆さんに知ってほしいのは、韓国ではゲームが単なる娯楽ではなく、eスポーツや開発産業を通じて“国のアイデンティティ”の一部となっていること。パンギョは“アジアのシリコンバレー”とも呼ばれ、ゲーム産業は誇りと活力の源です。だからこそ、“中毒物質”扱いへの反発は文化的な自尊心の防衛でもあるのです。
コミュニティの声:現場のリアルな反応
NaverやTistoryのブログ、ディシインサイドやNate Pann、インスティズなどの掲示板を覗くと、「未成年や依存傾向のある人への配慮は必要だが、産業全体を悪者扱いするのは違う」「政府はいつもゲームばかり責める」といった意見が多数。対策の必要性は認めつつも、社会的なバランスやデジタルウェルビーイング、家族や企業の役割について冷静な議論を求める声が増えています。
今後の展望:韓国ゲーム政策の行方
2025年6月現在、政府はICD-11の疾病コード導入を巡り議論を継続中。2027年に最終決定、2031年に本格施行の可能性も。今回の城南市騒動は、単なる表現の問題にとどまらず、韓国社会におけるゲームの位置づけ、産業・文化・政策のバランスを問い直す契機となっています。ゲーマー、開発者、ファンの声がこれまで以上に重要視される時代が始まっています。