韓国で60代父親が自作銃で息子を殺害、自宅に時限爆弾15個を設置した衝撃事件

## 衝撃の家族殺人事件が韓国社会を震撼させる
2025年6月20日夜、韓国・仁川市松島国際都市のマンションで起きた家族殺人事件は、韓国社会に大きな衝撃を与えている。63歳の父親A氏が、自身の誕生日パーティーの最中に自作の散弾銃で33歳の息子B氏を射殺するという前代未聞の事件が発生した。
事件は20日午後9時31分頃、仁川市延寿区松島洞のマンション33階で発生した。当時現場には、A氏の誕生日を祝うために集まった息子B氏夫婦、B氏の2人の子ども、夫婦の友人など6人がいた。A氏は「ちょっと外に行ってくる」と言って一時的に外出し、あらかじめレンタカーに積んでいたパイプ式の自作銃器を取ってきて犯行に及んだ。
警察によると、A氏は計3回発砲し、そのうち2発がB氏に命中、残りの1発はドアに当たった。犯行は幼い2人の孫の目の前で行われ、現場にいたB氏の妻が警察に通報した。B氏は心停止状態で病院に搬送されたが、死亡が確認された。
## YouTubeで学んだ自作銃製造技術

この事件で最も注目されるのは、A氏が使用した武器が完全に自作された銃器だったことである。警察の調べによると、A氏が使用した銃器は12ゲージ(口径18.5ミリ)の散弾銃の弾が入るパイプに撃発装置が装着されたもので、火薬はなく、撃発装置が弾に物理的衝撃を与えて弾そのものの火薬を爆発させて発射する方式だった。
散弾銃の弾にはBB弾大の12個の鉄球が入っており、A氏はパイプを購入し、工作所でそれを切断して銃身を製作していた。最も驚くべきことは、A氏が警察の取り調べで「製作方法はYouTubeで学んだ」と供述したことである。
この供述は韓国社会に大きな波紋を呼んでいる。インターネット上、特にYouTubeには銃器製作に関する動画が多数存在し、一般人でも比較的簡単に危険な武器を製作できる状況が明らかになったからだ。2022年の安倍晋三元首相銃撃事件でも犯人が動画サイトの情報を参考に銃を自作したことが判明しており、オンライン上の危険情報の拡散が深刻な社会問題となっている。
## 自宅に設置された時限爆弾15個
事件の恐ろしさはこれだけにとどまらなかった。A氏を逮捕した警察が、ソウル道峰区双門洞の容疑者宅を調査したところ、シンナーとタイマーなどで構成された自家製爆発物15個が発見されたのだ。
これらの爆発物はシンナーが入ったペットボトル、洗剤容器、牛乳容器などに点火装置が連結されており、事件翌日の21日正午に爆発するようタイマーが設定されていた。警察は住民約100人を緊急避難させ、爆発物処理班を投入して危険物を除去した。
A氏は警察の取り調べで「家には二度と戻らないつもりで引火性物質を仕掛けた。昼12時に設定したのは住民の被害を最小化するため」と供述している。この供述からは、A氏が最初から自分も死ぬつもりで計画的な犯行を行ったことが伺える。
## 計画的犯行の証拠:13丁の銃身を所持
警察の捜査により、この事件が衝動的な犯行ではなく、綿密に計画された犯罪だったことが明らかになった。A氏は犯行現場で発見された2丁に加え、車両から11丁、合計13丁のパイプ製銃身を所持していた。
車から発見された11丁の銃身のうち10丁は弾丸が装填された状態で、車から発見された弾丸は86発にも上った。A氏はこれらの弾丸を「20年余り前に狩猟用の弾を販売しているという人物から購入した」と供述しているが、銃砲所持許可証は持っていなかった。
これほど大量の武器と弾薬を準備していたことから、警察はA氏がより大規模な犯行を計画していた可能性があるとみて捜査を続けている。実際、A氏が自宅に爆発物を設置していたことを考えると、家族だけでなく周辺住民をも巻き込んだ無差別テロを企図していた可能性も否定できない。
## 家庭不和が招いた悲劇
警察の調べによると、A氏の犯行動機は「家庭の不和」だったことが判明している。仁川延寿警察署のパク・サンジン署長は記者会見で「容疑者を取り調べたところ、犯行動機は家族間の不和だが、詳しい供述は避けている」と説明した。
A氏は20年前に妻と離婚しており、息子B氏とは別居していた。一部報道では、A氏が「妻との離婚は自分のせいだった」と話しているとされているが、具体的な動機については「知ろうとしないでください」として供述を回避している。
事件当日は皮肉にもA氏の誕生日で、息子B氏が父親を祝うためにパーティーを開いていた。この善意ある行為が最悪の結末を迎えたことで、韓国社会では家族間のコミュニケーションの重要性や精神的ケアの必要性について議論が活発化している。
## 韓国の銃器安全神話に亀裂
この事件は「銃器清浄国」と評価されてきた韓国の安全神話に大きな亀裂を生じさせている。韓国は世界でも有数の銃規制が厳しい国として知られており、一般市民が合法的に銃器を所持することはほぼ不可能だった。
しかし、インターネットの普及により誰でも簡単に銃器製作方法を学ぶことができるようになり、自作銃による事件が増加傾向にある。警察によると、国内で自家製銃器など不法銃器による事故は2022年から昨年まで計9件発生している。
2016年にはソウル江北区で男性が鉄パイプなどを利用して製作した自家製銃器を乱射し、出動した警察官1人が死亡、通りかかった市民2人が負傷する「五牌山トンネル銃撃事件」も発生している。日本でも2022年の安倍元首相銃撃事件以降、自作銃対策として銃刀法が改正され、自作銃の製造・所持に対する処罰が強化されている。
## 模倣犯拡散への懸念と対策の必要性
この事件で最も懸念されるのは、詳細な犯行手口が報道されることによる模倣犯の出現である。A氏がYouTubeで銃器製作方法を学んだという事実は、同様の方法で武器を製作しようとする者が現れる可能性を示唆している。
韓国政府は今回の事件を受けて、オンライン上の危険情報に対する規制強化を検討している。特に、武器製作に関する動画や投稿の監視体制を強化し、プラットフォーム事業者に対しても積極的な削除協力を求める方針だ。
また、家庭内暴力や精神的問題を抱える人々に対する早期発見・介入システムの構築も急務となっている。今回のように長期間にわたって準備された計画犯罪を未然に防ぐためには、社会全体での監視と支援体制の確立が不可欠である。この事件は韓国社会に対し、従来の安全対策では対応できない新たな脅威への準備が必要であることを突きつけている。
もっと見る

キム首相、消費クーポン申請初日に環境公務員と国物食堂で朝食
キム・ミンソク国務総理が民生回復消費クーポンの申請初日である21日、ソウルのスンデクッパ食堂で環境公務員6名と朝食を共にし、小商工業者への支援を約束した象徴的な出来事。

ソウル不動産市場:様子見を超えて安定へ - 供給対策は遅れてはならない
韓国ソウルの不動産市場は、融資規制にもかかわらず21週連続でアパート価格が上昇するという危機的状況に直面している。供給不足の継続と投機の持続により、専門家らは一時的な冷却効果を超えた真の市場安定のため、包括的な供給措置が緊急に必要だと警告している。