再燃する北朝鮮核廃水疑惑…ソウル市が「漢江の水質は安全」と断言した理由

2025年に再燃した北朝鮮核廃水流入疑惑とは?
みなさん、2025年の今、北朝鮮が核廃水を韓国側の河川に流し込み、漢江や西海(黄海)が放射能で汚染されているという疑惑が再び話題になっているのをご存知ですか?この噂は2019年にも流布され、一度は沈静化したものの、政権交代や社会不安が高まるたびに再燃する“定番の陰謀論”です。今回もYouTubeやSNSで「北朝鮮の平山ウラン工場から放射性廃水が流出している」との話題が拡散され、韓国国内の保守系コミュニティを中心に不安や怒りの声が広がっています。
特に「なぜ政府やメディアは静かなんだ?」と疑問を呈する声や、「このままでは水道水も飲めなくなる時代が来る」といった悲観的な意見も目立ちます。
ソウル市と韓国政府の公式見解:『漢江の水質は異常なし』

こうした不安に対し、ソウル市や韓国政府は迅速に反応。2025年7月現在、韓国原子力安全技術院(KINS)や環境部などが江華島や漢江河口など全国10カ所で特別調査を開始し、放射能や重金属の有無を徹底的に調べています。
現時点で採取された水サンプルからは、ウランやセシウムなどの放射性物質は基準値を超えて検出されていません。リアルタイムで測定される放射線量も正常範囲内で、ソウル市は「漢江の水質は安全」と公式に発表しています。
また、ソウル市保健環境研究院によると、2024年まで3年連続で漢江の水質は改善傾向にあり、溶存酸素量や有機炭素、全窒素・全リンなど主要指標も良好な状態を維持しています。
噂の発端は?衛星写真・報道・政治的対立
今回の疑惑再燃のきっかけは、2025年6月に北朝鮮専門メディア「デイリーNK」が公開した衛星写真でした。これにより、平山ウラン工場の沈殿池から排水が流出し、礼成江を経て江華島や西海に到達しているのではないか、という推測が広がりました。
さらに、SNSや一部のYouTuberが「韓国政府は隠蔽している」「日本の福島処理水には厳しいのに北朝鮮には甘い」といった政治的批判を展開。こうした情報が韓国の保守系コミュニティやニュースコメント欄で拡散し、社会的な不安を煽っています。
韓国オンラインコミュニティの反応:懐疑と皮肉、対立の構図
ディシインサイド、エフエムコリア、ネイトパンなど韓国の主要コミュニティでは、今回の疑惑をめぐり激しい議論が繰り広げられています。「政府は本当に調査しているのか?」「また左派政権は北朝鮮に甘い」など批判的な声がある一方で、「証拠もないのにパニックを煽るな」「毎回同じデマに踊らされている」と冷静な意見も多いです。
特に「애국보수햄들(愛国保守ハム)」という皮肉を込めた表現で、保守系の“陰謀論者”を揶揄するコメントも目立ちます。NaverやTistoryのブログでも、政府発表や衛星写真を分析し「現状ではパニックになる必要はない」と結論づける記事が増えています。
科学的モニタリングと韓国の水質管理体制
韓国は世界でも最も厳格な水質モニタリング体制を持つ国の一つです。WHO基準の100倍厳しい基準値を設定し、全国244カ所で放射線をリアルタイム監視。ソウル市は水道水の原水から家庭の蛇口まで、法定検査項目の8倍にあたる335項目について徹底検査を行っています。
また、異常があれば即時に警報を発令し、追加の高度浄水処理を実施。2025年7月時点でも、どの地点でも基準値を超える放射能や有害物質は検出されていません。市民は公式サイトやアプリでリアルタイムの水質データを確認できます。
デマ・陰謀論が拡散する背景と社会的課題
なぜこのようなデマや陰謀論が繰り返し拡散するのでしょうか?専門家は「環境不安」と「政治的不信」が複合的に作用していると指摘します。特に政権交代や社会的混乱の時期には、SNSやYouTubeなどの情報拡散力が高まり、根拠のない噂が“真実”のように受け止められがちです。
ソウル市が公式に反論声明を出したのも、こうしたデマの深刻さを物語っています。ブロガーの中には「パニックに陥る前に、まずは公式データや科学的根拠を確認しよう」と呼びかける声も多いです。
韓国における水の文化的意味と国民感情
海外の皆さんに知ってほしいのは、韓国社会において水=特に漢江の水が持つ象徴的な意味です。漢江はソウル市民の生活の中心であり、国家的な誇りでもあります。過去の水質汚染事件や福島原発事故の記憶が、放射能や水質問題への過敏な反応を生み出しています。
そのため、政府や自治体も科学的かつ透明な情報公開に努め、国民の信頼回復に力を入れています。
今後の展望と政府の対応計画
2025年7月現在、韓国政府は特別調査の結果を2週間以内に公表予定。今後も毎月の定期監視体制を維持し、異常があれば即時対応する方針です。オンライン上では「もっと厳格な監視を」「パニックにならず冷静に」といった意見が交錯しています。現時点で漢江やソウルの水道水に異常はなく、市民は安心して生活を続けられる状況です。
まとめ:事実と不安を見極める力を
北朝鮮核廃水疑惑は、環境不安・政治的対立・デジタルメディアが複雑に絡み合う現代韓国社会の縮図です。科学的根拠と公式データに基づき、冷静に情報を見極める姿勢が求められています。漢江とソウルの水道水は現状、安全に保たれています。
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