なぜ女性ファン中心のK-POPコミュニティで男性ファンが嫌われるのか?アイルリット現象と韓国ファンダムのジェンダー論争

はじめに:アイルリット女性ファンの“男性ファン嫌悪”が話題に
皆さんは知っていますか?2025年6月、韓国の人気ガールズグループ「アイルリット(ILLIT)」のファンコミュニティで、女性ファンがグッズ当選を自慢し「男が当たらなくてよかった~」と発言したことが、ネット上で大きな議論を呼びました。この発言をきっかけに「なぜ女性ファンは男性ファンを嫌うのか?」という問いがSNSや各種掲示板で飛び交い、さまざまな理由や体験談が投稿されました。
代表的なコメントは「男は臭い」「太っていて視界を遮る」「声が無駄に大きい」「セクハラ発言やつまらない下ネタ」など、かなりストレートなものばかり。これらの反応は、単なる冗談や皮肉を超えて、韓国社会のジェンダー観やファンダム文化の深層を映し出しています。
韓国女性ファンコミュニティの“安全地帯”意識

韓国のK-POPファンダムは、特にガールズグループの場合、女性ファンが圧倒的多数を占めています。こうした女性中心のコミュニティは、しばしば「自分たちだけの安全地帯」として機能してきました。
女性ファンは、男性ファンがいると「視線が気になる」「不快な思いをした経験がある」「イベントでの迷惑行為が怖い」といった理由から、男性の参加を警戒する傾向があります。
実際、ネイバーやティストリーのブログでも「女性だけの空間だからこそ安心して推し活ができる」「男性ファンがいると雰囲気が変わる」といった声が多く見られます。
“男性ファン=迷惑”というステレオタイプの背景
なぜここまで男性ファンが警戒されるのでしょうか?SNSやコミュニティでは「体臭がきつい」「太っていて席を占領する」「声が大きくて騒がしい」「セクハラや下品な冗談を言う」など、男性ファンに対するネガティブなイメージが頻繁に語られています。
もちろん、すべての男性ファンがこうした行動をするわけではありません。しかし、過去のファンイベントやライブで一部の男性が問題行動を起こした事例が拡散され、全体のイメージ悪化につながっています。
また、日本でも「NewJeansおじさん」など、中年男性ファンへの風当たりが強い現象があり、韓国と共通する傾向が見られます。
K-POPファンダムと韓国社会のジェンダー意識
韓国社会では近年、フェミニズム運動やジェンダー問題が激しく議論されています。K-POPファンダムも例外ではなく、女性ファンは「男性中心社会」への反発や、女性同士の連帯感を重視する傾向が強まっています。
学術研究でも「ガールクラッシュ」系アイドルが女性ファンにエンパワーメントを与え、異性愛的な男性の視線を排除することで、女性だけのファンタジーや自己表現の場を作っていると指摘されています。
こうした背景から、女性ファンは自分たちの空間を守るために男性ファンを排除したいという心理が働きやすいのです。
コミュニティの声:肯定・否定両方の意見
韓国の代表的な掲示板やブログ、SNSでは「男性ファンがいない方が安心」「女性だけの雰囲気が好き」といった肯定的な意見が目立つ一方、「年齢や性別でファンを差別するのはおかしい」「売上に貢献しているのに…」といった反論も根強く存在します。
特に、イベントでの“おじさんファン”問題や、SNSでの迷惑行為(しつこいDMやナンパなど)が女性ファンから嫌われる大きな理由となっています。しかし「ファンは誰でもなれるべき」「一部のマナー違反を全体に当てはめてはいけない」という冷静な声もあり、議論は平行線をたどっています。
海外と韓国の違い:グローバルファンダムの多様性
海外のK-POPファンダムは、韓国よりも男女・年齢の多様性が高い傾向があります。特に欧米や南米では、男性ファンも積極的にアイドルを応援し、現地コミュニティでは性別による排除感は比較的少ないです。
一方で、韓国のファンダムは社会的なジェンダー意識や、過去の事件(性犯罪スキャンダルなど)の影響もあり、女性ファンの“排他性”が強調されやすい文化的特徴があります。
海外ファンからは「韓国ファンは排他的すぎる」「K-POPの魅力は多様性なのに」といった指摘も見られます。
まとめ:ファンダムは誰のもの?これからの課題
アイルリットの事例は、K-POPファンダムにおけるジェンダー問題の象徴です。女性ファンが自分たちの空間を守りたい気持ちも理解できますが、過度な排除や偏見は新たな差別を生む危険があります。
ファンダムは本来、音楽やアーティストへの愛でつながる多様なコミュニティ。誰もが安心して楽しめる空間を目指すには、マナー違反への個別対応と、性別・年齢を問わない包摂的な意識が求められます。
海外ファンも韓国の文化的背景を理解しつつ、グローバルな視点でK-POPを楽しんでいきましょう。
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