用仁特例市の生理用品支援事業不参加に非難殺到――地域格差と市民権利のいま

用仁特例市が生理用品支援に不参加、その背景は?
2025年6月、京畿道の『女性青少年生理用品普遍支援事業』に用仁特例市が参加しないと発表し、韓国社会に大きな波紋が広がっています。人口100万人を超える大都市である用仁市が、財政負担を理由に事業参加を拒否したことで、3万1452人の女性青少年が支援対象から外れる事態に。民主労働党用仁市委員会は「市民の基本的な健康権利を放棄した」と強く批判し、地域コミュニティでも議論が沸騰しています。
京畿道の生理用品支援事業とは?

この事業は、京畿道内の11〜18歳の女性青少年(2007年1月1日〜2014年12月31日生まれ)を対象に、毎月1万4000ウォン(年間最大16万8000ウォン)を地域通貨で支給し、コンビニなどで生理用品を購入できるというもの。2025年は31市郡のうち24自治体が参加していますが、用仁・水原・高陽・城南・富川・南楊州・坡州など大都市7自治体は不参加。そのため、全体対象者52万人のうち約24万人(46%)が支援を受けられない状況です。
財政負担は本当に理由?市民の声と行政の論理
用仁市は「市の財政負担が大きい」と説明しますが、実際には市の財政自立度は京畿道内でも上位。『特例市』として自治権や予算規模が拡大されているにもかかわらず、基礎的な福祉政策に消極的な姿勢に、市民や活動家は「特例市の名にふさわしくない」と反発。民主労働党用仁市委員会は「特例市の特権は市民の基本権保障のためにある」と強調し、即時の事業参加を求めています。
オンラインコミュニティとブログでの反応
韓国の主要コミュニティ(더쿠、네이트판、인스티즈、디시인사이드、에펨코리아など)では「大都市なのに若者の健康権を無視するのか」「生理用品は贅沢品じゃない、基本的人権だ」といった批判が相次いでいます。NaverやTistoryのブログでも、他地域で支援を受けた体験談や、申請方法、地域格差への不満が多数投稿されており、社会的な関心が高まっています。
地域格差と福祉の現実――『住所による福祉のくじ引き』
今回の用仁市の不参加は、韓国社会における福祉政策の地域格差問題を浮き彫りにしました。京畿道の関係者も「不参加自治体の多くは予算負担を理由に挙げているが、道としても今後参加を促していく」とコメント。ブログやSNSでは「同じ京畿道なのに住む場所で支援が変わるのは不公平」との声が多く、制度の抜本的見直しを求める意見も増えています。
韓国における生理・ジェンダー意識の変化
海外の読者に知ってほしいのは、韓国では長らく生理やジェンダーに関する話題がタブー視されてきたこと。近年、若い世代を中心に生理の貧困やジェンダー平等への関心が高まり、今回の事業もその流れの中で誕生しました。生理用品支援は単なる経済的サポートではなく、社会全体の意識変革と女性の人権拡大を象徴する政策でもあります。
市民・団体の要求と今後の展望
民主労働党用仁市委員会は①即時の生理用品普遍支援事業参加、②特例市にふさわしい福祉拡大、③市民健康権重視の行政、④透明な予算運用を要求。多くの市民や保護者もSNSや請願を通じて声を上げており、今後の市議会や行政の動きが注目されています。道や他自治体も、制度の公平性確保に向けた議論を続けています。
メディア・ブログでの最新報道と社会的影響
경기일보や팍스경제TVなどの主要メディアは連日この問題を特集。NaverやTistoryブログでは、他市での申請方法や体験談、制度のメリット・デメリットを解説する記事が増加中。こうしたオンライン発信が世論形成や政策改善の原動力となっています。
まとめ:福祉、権利、そして地域社会のこれから
用仁特例市の生理用品支援不参加問題は、単なる予算論争ではなく、韓国社会が直面する福祉の地域格差、ジェンダー平等、行政の責任といった根本的課題を映し出しています。今後、用仁市が市民の声にどう応えるのか、そして全国的な福祉政策の在り方がどう進化していくのか、注目が集まっています。