権午乙「社会主義者も北朝鮮政権に直接参加しなければ叙勲すべき」発言で大論争

Jul 16, 2025
政治
権午乙「社会主義者も北朝鮮政権に直接参加しなければ叙勲すべき」発言で大論争

韓国政界を震撼させた権午乙の爆弾発言

皆さんは知っていましたか?韓国の人事聴聞会がこれほど激しい政治的戦場になることがあるということを。2025年7月15日、権午乙国家報勲部長官候補者の人事聴聞会は、まさにそんな緊張に満ちた場となりました。国会政務委員会で開かれたこの聴聞会で、権候補者は社会主義系の独立運動家に対する叙勲拡大と北朝鮮主敵論への疑問を提起し、韓国政界に大きな衝撃を与えました。

権候補者は元保守系政党の議員でありながら、後に李在明大統領を支持するようになった人物です。国民の力党は既に権候補者を「不適格5人衆」の一人として挙げており、「コーヒー大臣」というあだ名まで付けられていました。これは権候補者が過去の職歴について「コーヒーを一緒に飲んでくれることが仕事」と説明したことから来ています。

聴聞会は6時間以上にわたって行われ、MBC、KBS、YTNなど主要放送局が生中継を行いました。数百万人の韓国国民がこの緊迫した政治的瞬間を目撃することとなったのです。権候補者の発言は瞬く間に韓国社会の深い歴史的・イデオロギー的分裂を浮き彫りにしました。

社会主義系独立功労者叙勲拡大発言の波紋

관련 이미지

権午乙候補者が最も注目を集めた発言は、社会主義系独立功労者の叙勲に関するものでした。彼は「社会主義系にいらっしゃった方々が功労者から多く除外されているが、北朝鮮政権樹立に直接参加していなければ当然叙勲し、経済的補償をしなければならない」と明言しました。この発言は韓国の報勲政策における潜在的な革命的変化を示唆するものでした。

権候補者はさらに「時代に合わせて全ての独立功労者の子孫が恩恵を受けるようにしなければならない」と強調し、より包括的な認定システムへの転換を提案しました。これまで韓国の報勲制度は、日本植民地時代の独立運動家の中でも反共産主義的な人物に重点を置いてきました。

この発言に対し、進歩系議員たちは肯定的な反応を示しました。彼らは長年、韓国の報勲制度があまりにも狭い範囲に限定されていると主張してきたからです。しかし保守系議員たちは、後に北朝鮮の政治体制に協力した人物まで認定する危険性について懸念を表明しました。オンラインコミュニティでは「ついに歴史的正義について語る人が現れた」という支持の声と「これは共産主義者を英雄視するものだ」という反発の声が同時に上がりました。

金亨錫独立記念館長問題への慎重な対応

聴聞会の重要な部分は、論争の中心にいる金亨錫独立記念館長に関する質問でした。金館長は2024年8月に就任して以来、「ニューライト」的歴史観を持つ人物として光復会などの独立運動団体から激しい批判を受けてきました。特に彼は「大韓民国建国は1919年臨時政府樹立で始まり、1948年政府樹立で完成した」という立場で、1948年建国論を主張する人物として知られています。

権候補者は金館長について「長官に就任すれば一度会ってみる」とし、「任命過程も具体的に検討する」と述べました。これは金館長の地位に変化が生じる可能性を示唆する発言でした。さらに「政務職は任命権者が変われば再信認手続きをすべて経るべきだというのが平素の考え」と付け加え、より直接的な変化の可能性を暗示しました。

しかし金館長の解任を建議するかという質問には「内容を具体的に検討し、問題が確認されれば長官として取れる措置を取るが、少し慎重に進めるべきではないか」と慎重な姿勢を示しました。金館長は独立記念館開館以来初めて光復節慶祝式を取り消すなど、様々な論争を引き起こしており、独立記念館労働組合も彼の即刻辞任を要求している状況です。

北朝鮮主敵発言とその後の謝罪劇

聴聞会で最も劇的な瞬間は、北朝鮮が韓国の「主敵」かという質問への権候補者の回答でした。彼は「今この時点で主敵だと表現するには実に曖昧な点がある。南北平和体制に向かうべきこの時点で、わざわざ20~30年前の用語を再び使う必要があるだろうか」と答えました。この発言は瞬時に政治的な嵐を巻き起こしました。

権候補者は「北朝鮮が武力を使えば即座に応懲するが、我々に対して険しい言葉を言うからといって対応し、言葉で緊張を高めるのは適切ではない」と続けました。これは北朝鮮政策に対するより穏健なアプローチを示唆するものでした。

しかし国民の力党議員たちの激しい反発が始まると、権候補者は立場を急速に後退させました。「不適切な表現について謝罪する」と頭を下げ、事実上自分の発言を撤回しました。この謝罪は韓国政治において北朝鮮政策がいかに敏感な問題であるかを改めて浮き彫りにしました。オンラインでは「報勲部長官が北朝鮮を敵と認めないのか」という批判的なコメントが殺到した一方で、「平和的アプローチが必要だ」という支持の声も上がりました。

過去のSNS投稿で明らかになった性認識問題

権候補者は過去のSNS投稿が性認識感受性に反するという指摘についても謝罪しなければなりませんでした。問題となったのは、投票を奨励しながら女性の初回性体験を描写した投稿、朴希泰元国会議長のキャディ性暴行事件に関して朴元議長を擁護した投稿、「ソロ大戦」イベントについて話しながら不適切な新造語を使用した投稿などでした。

特に2012年の投稿では「ソロ大戦」について言及し、「使い捨てでも大丈夫」というコメントを書き、同じ投稿で性的な意味を含む隠語も使用していました。これらの投稿は当時のオンライン文化を反映したものですが、現在の基準では明らかに不適切な内容でした。

権候補者は「なぜそんな不適切な単語を使ったのか、性認識感受性教育を受けなければならないと思った。今回の機会を通じて多くのことを感じた」と述べました。DC InsideやNate Pannなどのオンラインコミュニティでは「こんな人が大臣になりたがっている」という批判的な反応が溢れました。一方で「10年以上前の投稿を問題視するのは行き過ぎだ」という意見も見られました。これは韓国社会の性認識が急速に変化していることを示す事例でもありました。

韓国オンラインコミュニティの熱い反応

権午乙候補者の聴聞会は韓国のオンラインコミュニティで激しい議論を呼び起こしました。Nate PannやDC Inside、TheQoo、Ilbe など主要コミュニティでは数千件のコメントが殺到し、韓国社会の深い分裂を反映しました。

進歩系コミュニティでは「やっと歴史的正義について語る人が現れた」「すべての独立運動家を認定する時が来た」という支持の声が上がりました。TheQooでは特に彼の包括的な報勲政策に対する肯定的な反応が多く見られました。

一方、保守系コミュニティでは「報勲部長官が北朝鮮を敵と言えないのか」「共産主義と戦って死んだ退役軍人への裏切りだ」という強い批判が殺到しました。Ilbeでは彼の発言に対する激しい反発が続きました。

興味深いことに、性認識問題については政治的性向に関係なく批判的な反応が多く見られました。「公職者としての基本的な素養が足りない」「時代が変わったことを理解していない」という指摘が相次ぎました。この反応は韓国社会が性平等問題において政治的分裂を超えた共通の基準を形成しつつあることを示しています。

韓国政治の未来へのメッセージ

権午乙候補者の論争的な聴聞会は、韓国政治の複雑な現実を浮き彫りにしました。彼の社会主義系独立功労者に対する叙勲拡大提案は、数千の家族に恩恵をもたらす可能性がある一方で、韓国社会の歴史認識に根本的な変化をもたらす可能性もあります。

特に注目すべきは、この聴聞会が韓国社会の世代間葛藤を如実に示したことです。若い世代は権候補者の包括的なアプローチを支持する傾向を見せた一方で、高齢層は安保に対する懸念を表明しました。これは韓国社会が歴史認識と北朝鮮政策において重要な転換点に立っていることを示唆しています。

国際的な観点から見ると、この事件は韓国民主主義の透明性と活力を示すものでもあります。過去のSNS投稿まで詳細に検証される人事聴聞会は、韓国政治の開放性を象徴しています。同時に、政治家が歴史的に敏感な問題について発言する際の制約も浮き彫りにしています。

権候補者が確認されれば、韓国の報勲政策は大きな変化を迎える可能性があります。しかし彼の北朝鮮発言に対する強い反発は、韓国政治がいまだに分断の現実に深く制約されていることを示しています。この聴聞会は韓国社会が歴史的包容性と国家安保の間でバランスを取ろうとする努力の一環として記憶されるでしょう。

権午乙
報勲部長官
人事聴聞会
社会主義者
北朝鮮
金亨錫
独立記念館
政治論争
性認識

もっと見る

リストへ