ウクライナ、ロシアとの新たな和平協議を提案:ゼレンスキー大統領がプーチン氏との直接会談の必要性を強調

Jul 22, 2025
国際ニュース
ウクライナ、ロシアとの新たな和平協議を提案:ゼレンスキー大統領がプーチン氏との直接会談の必要性を強調

外交的突破口への新たな試み:ゼレンスキー大統領の和平提案

2025年7月19日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は重要な外交的発表を行った。ロシアに対し、来週の和平交渉開催を提案したのだ。この提案は、6月初旬から中断されていた両国間の直接協議を再開させる可能性を示唆している。

ゼレンスキー大統領は夜間のビデオ演説で、ルステム・ウメロフ国家安全保障・国防会議書記がロシア側に対し正式に会談を提案したことを明らかにした。特に注目すべきは、ゼレンスキー氏が「真の永続する平和を確保するには、首脳レベルでの協議が必要だ」と述べ、ロシアのプーチン大統領との直接会談への強い意欲を示したことである。

この発表の背景には、長期化する紛争への国際的な圧力と、アメリカのトランプ政権による新たな外交的圧力がある。ゼレンスキー氏は「交渉の勢いを加速させ、停戦実現のため手を尽くす必要がある」と強調し、外交解決への強い決意を表明した。

軍事的エスカレーションと外交努力の矛盾

관련 이미지

皮肉なことに、ゼレンスキー大統領による和平提案は、ロシアによる大規模な軍事攻撃の直後に発表された。7月21日、ロシア軍はウクライナに対し合計450機のドローンと24発のミサイルによる大規模攻撃を実施した。これは2025年の中でも最大規模の攻撃の一つとなった。

さらに深刻なのは、7月9日に記録された過去最大規模の攻撃である。この日、ロシア軍は728機のドローンと13発のミサイルでウクライナ全土を攻撃した。ウクライナ西部のルツクが主な標的となり、複数の火災が発生したが、幸い死傷者は報告されていない。ポーランド軍は領空の安全確保のため戦闘機を緊急発進させる事態となった。

専門家によると、2025年7月のドローン攻撃は1日平均約237機に達しており、6月には記録的な5,337機のShahedドローンがウクライナに向けて発射された。この数字は、戦争初期と比較して攻撃の激化と技術的進歩を示している。ゼレンスキー大統領は、これらの攻撃が「停戦に向けた努力が続く中での攻撃だ」としてロシアを強く非難した。

トランプ大統領の外交圧力:50日間の最後通牒

アメリカのドナルド・トランプ大統領は7月15日、ウクライナ紛争に対する革新的なアプローチを発表した。NATO加盟国を通じてウクライナに「最高級の兵器」を供与すると同時に、ロシアに対し50日以内の停戦合意を求める最後通牒を突きつけたのだ。

トランプ氏は「我々は最上級兵器を生産し、これをNATOに送る」と述べ、NATOのマルク・ルッテ事務総長との会談でこの新たな取り決めを発表した。重要な点は、アメリカが兵器を提供するが、費用はNATO諸国が負担するという構造である。ルッテ事務総長は「ウクライナが防空システムだけでなくミサイル、弾薬など大規模軍事装備を確保できることを意味する」と説明した。

さらに強力なのは、トランプ氏の経済制裁の脅威である。50日以内に和平合意が成立しなければ、ロシアに対し「非常に苛酷な関税」を課し、「関税率が100%程度になるだろう」と警告した。この制裁はロシアだけでなく、ロシアと取引する第三国にも及ぶ二次制裁の可能性も含んでいる。

過去の交渉の失敗と根深い対立

ウクライナとロシアは2025年に入り、5月16日と6月2日の2回、トルコのイスタンブールで直接協議を行った。しかし、これらの会談は捕虜交換などの人道的問題では合意に達したものの、停戦に関しては全く進展がなかった。

最大の対立点は停戦の条件にある。ウクライナ側は「完全かつ無条件の停戦」を交渉の前提条件として要求している。これに対し、ロシア側はウクライナに対し、ドネツク、ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソンの各州における追加的な領土割譲と、すべての西側軍事支援の拒否を要求している。

ロシアの立場は極めて強硬で、現在占領している領土の国際的承認と、2014年以降に併合したクリミア半島を含む全占領地の恒久的な支配権を求めている。ウクライナ政府関係者によると、これらの要求は「実現不可能」であり、事実上の降伏に等しいものだという。5月の協議後、ロシアは再び大規模なドローン攻撃を実施し、和平交渉への真剣な取り組みに疑問符がついた。

7月23日の第3回協議:新たな希望か、それとも空虚な儀式か

7月21日、ゼレンスキー大統領は第3回目の直接協議が7月23日にトルコで開催されることを正式に発表した。この協議には、捕虜交換、強制連行された市民の帰還、そしてウクライナ・ロシア首脳会談に向けた準備が議題として含まれる予定である。

しかし、ロシア側の反応は冷淡である。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は7月22日、「奇跡的な進展を期待する根拠はない」と述べ、「現状ではほぼ不可能だろう」との見解を示した。ペスコフ氏は「何らかのトップレベルの会談の可能性について話せるようになるまでには、多くの作業が必要だ」と付け加え、首脳会談への消極的な姿勢を示した。

一方、アメリカはこの協議に大きな期待を寄せている。ルビオ国務長官、中東担当のウィットコフ特使、ウクライナ・ロシア担当のケロッグ特使がトルコに派遣される予定で、アメリカの積極的な関与が予想される。トランプ大統領の50日間の期限を考慮すると、この協議は極めて重要な意味を持つことになる。

国際情勢の複雑な力学と将来への展望

現在の和平努力は、複雑な国際政治の力学の中で展開されている。ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、ゼレンスキー氏がプーチン大統領との会談を求める理由について、「忘れ去られるのではないかという恐ろしい恐怖」があるためだと分析している。ザハロワ氏によれば、ゼレンスキー氏は自身の正統性を強化し、西側諸国による権力からの排除を防ぐために直接会談を望んでいるという。

軍事的な観点から見ると、現在ロシアは2014年のクリミア併合以降、ウクライナ領土の約20%を支配下に置いている。この現実は交渉の複雑さを増大させており、領土問題が和平実現の最大の障壁となっている。また、2025年5月にゼレンスキー大統領の任期が終了したにもかかわらず、戒厳令を理由に新たな選挙が実施されていないことも、ロシア側が交渉の正統性に疑問を呈する理由の一つとなっている。

今後の展望については、専門家の間でも意見が分かれている。トランプ大統領の強力な経済制裁の脅威と軍事支援の組み合わせが功を奏する可能性がある一方で、両国の根本的な立場の相違は依然として巨大な溝となっている。7月23日の協議は、外交的解決への最後のチャンスとなるか、それとも単なる政治的パフォーマンスに終わるか、国際社会が注視している。真の平和実現には、両国首脳による政治的決断と、国際社会による継続的な圧力と支援が不可欠であることは間違いない。

ウクライナ
ロシア
和平協議
ゼレンスキー
プーチン
直接会談
停戦
ドローン攻撃
トランプ
NATO
関税制裁

もっと見る

リストへ