無免許で鍼治療を行った偽漢方医、済州で逮捕・起訴 被害者120人以上に深刻な副作用も

偽漢方医逮捕の背景と概要
済州自治警察団は、漢方医の免許を持たずに全国を巡回し、認知症や癌などの重篤な患者120人以上に無免許で鍼治療を行った70代の男性A氏を医療法違反の疑いで逮捕し、検察に送致しました。2022年から約4年間にわたり、済州をはじめソウル、釜山、大邱などで活動し、患者から1回あたり約5万ウォンの高額な料金を徴収していました。過去にも同様の医療法違反で処罰歴があるにもかかわらず、再び違法行為を繰り返していたことが明らかになりました。
無免許鍼治療の危険な手法と被害状況

A氏は患者の衣服の上から10~30本の鍼を刺し、一部の患者には鍼を抜かずに帰宅させるなど、通常の漢方医院では使用しない48cmの長鍼を用いるなど非常識な施術を行っていました。その結果、鍼治療後に目の腫れで目を開けられなくなった患者や、激しい腹痛や血液の炎症を伴う副作用が多数報告されています。これらの被害は深刻であり、患者の健康被害が拡大しています。
韓国の医療法と無免許医療行為の法的処罰
韓国の医療法第27条第1項では、医療資格のない者が医療行為を行うことを禁じており、違反した場合は5年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金が科されます。A氏は過去にも同様の違反で処罰されており、再犯であることから厳しい法的対応が求められています。済州自治警察団は、患者の切実な心情を悪用した無免許医療行為は根絶すべき重大な違法行為であると強調しています。
コミュニティの反応と社会的影響
今回の事件は、韓国のオンラインコミュニティやニュースサイトで大きな反響を呼んでいます。多くのユーザーが患者の弱みに付け込んだ行為に怒りを示し、医療制度の監視強化や法整備の必要性を訴えています。一方で、重病患者の絶望的な状況に同情する声もあり、医療の選択肢や情報提供の重要性が議論されています。
文化的背景:韓国における伝統医学の位置づけ
韓国では伝統医学が根強く信頼されており、特に高齢者を中心に鍼灸治療が広く受け入れられています。しかし、伝統医学も厳格な資格制度のもとで行われるべきであり、無免許の施術は重大なリスクを伴います。海外の読者にとっては、韓国の医療文化の一端を理解するうえで重要な事例です。
専門家の見解:無免許鍼治療の危険性
医療専門家や正規の鍼灸師は、鍼治療が専門的な技術と解剖学的知識を必要とする医療行為であると指摘しています。無免許での施術は感染症や神経損傷などのリスクを高め、患者の健康を著しく損なう恐れがあります。今回の事件は、専門的な資格の重要性を改めて浮き彫りにしました。
メディアとブログでの報道・議論
主要なニュースメディアやNaver、Tistoryなどのブログでは、事件の詳細や被害者の声、医療法の解説が掲載されています。多くのブログでは、無免許医療の危険性を訴え、一般市民に対して資格確認の重要性を呼びかける内容が目立ちます。
海外読者へのメッセージ:医療の安全性を守るために
この事件は、海外から韓国の医療サービスを利用する人々にとっても、医療提供者の資格確認がいかに重要かを示す警鐘です。伝統医学が盛んな韓国でも、法的に認められた専門家による治療を受けることが安全であることを理解しておく必要があります。
今後の展望と対策
済州自治警察団は、無免許医療行為の根絶に向けて厳正な対応を続けるとともに、被害者支援や啓発活動の強化を図る方針です。社会全体で医療の安全性を確保し、患者が安心して治療を受けられる環境づくりが求められています。