北朝鮮がG7を痛烈批判:「戦争をあおるイスラエルを支援」と非難の真意は?

北朝鮮のG7批判、何が起きたのか?
みなさんはご存じでしたか?2025年6月、北朝鮮がG7(主要7カ国)に対し、イスラエルを支持し戦争をあおっていると激しく非難しました。朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、G7を「対立と戦争を追求するイスラエルをさらにけしかける悪質な勢力」と表現。イスラエルを「中東平和の悪性腫瘍」と呼び、G7がイスラエルと一体となっていると糾弾しました。
この発言は、G7首脳会議でイスラエルの安全保障への支持が再確認された直後に出され、北朝鮮の外交的な立場を強調するものでした。
G7の声明と北朝鮮の反発、その背景

G7は最近の共同声明で、イスラエルの自衛権を支持し、イランの行動を非難しました。また、民間人の保護や地域の緊張緩和を呼びかけています。しかし北朝鮮はこれを「西側の露骨な肩入れ」と受け止め、G7が中立的な仲介者ではなく、イスラエルを無条件に支援しイランの反撃だけを問題視していると主張。
北朝鮮メディアは「国際法を自分たちの都合で無視する西側」と批判し、自国やイランが受けている圧力と重ね合わせる形でG7を攻撃しています。
北朝鮮の主張:イラン擁護と西側批判
北朝鮮はG7批判にとどまらず、イランへの強い支持も表明しています。イスラエルのイラン攻撃を「人道に対する犯罪」と断じ、アメリカやヨーロッパに支援されたイスラエルを「世界平和の癌」と非難。西側の中東介入がさらなる破局を招くと警告しています。
この姿勢は、米国に対抗するイランやロシアなどと連携を深める北朝鮮の外交戦略の一環であり、自国を西側の「犠牲者」として位置づける国内向けプロパガンダの側面も強いです。
韓国オンラインコミュニティの反応は?
韓国のDCInside、Theqoo、NaverやTistoryのブログなどを覗くと、さまざまな意見が飛び交っています。「北朝鮮の主張はいつものこと」「自分たちの攻撃性を棚に上げている」と皮肉る声や、「世界情勢がさらに不安定になるのでは」と懸念する声も。Naverのブロガーは、北朝鮮の発言が国際的なポジショニングと国内向けの宣伝を兼ねていると分析。Tistoryでは「イラン支持は反米戦略の一環で、真の連帯ではない」と指摘する投稿も目立ちます。
「また西側のせいにする」「これが拡大すれば韓国にも影響が」といったコメントが多く、冷ややかながらも情勢の深刻さを意識している様子です。
北朝鮮の歴史的・文化的背景を知ろう
北朝鮮のこうした発言を理解するには、歴史的・文化的背景が欠かせません。北朝鮮は長年、反帝国主義の旗手を自認し、イランやシリア、ロシアなど米国に対抗する国々と連携してきました。これは単なるイデオロギーだけでなく、経済制裁や外交的孤立を乗り越えるための生存戦略でもあります。G7は「西側の覇権主義の象徴」と見なされ、敵対的な発言が続くのもこの文脈からです。
イスラエル支持のG7を批判しイランを擁護することで、北朝鮮は自国の軍事力強化や国際的孤立の正当化を図っています。
ウクライナ戦争・核問題と北朝鮮の怒り
中東だけでなく、ウクライナ戦争や核問題も北朝鮮の怒りの背景にあります。G7は北朝鮮の核・ミサイル開発やウクライナ戦争でのロシア支援を繰り返し非難。2025年3月には、北朝鮮に核兵器の完全放棄を要求しましたが、北朝鮮はこれを拒否し、核戦力の強化を宣言。外務省は「G7こそ核犯罪集団」と反発し、核保有国としての地位は譲れないと主張しています。
韓国のネット上でも、ウクライナ情勢と中東危機が連動し「新冷戦」の様相を呈しているとの分析が多く見られます。
今後の展望とプロパガンダの役割
「この先どうなるの?」と気になる方も多いでしょう。北朝鮮の強硬な言葉は、国内の結束を固めると同時に、国際社会へのメッセージでもあります。しかし、こうしたレトリックと実際の軍事行動が結びつけば、さらなる不安定化を招くリスクも。G7がイスラエルや北朝鮮への方針を変える可能性は低く、非難の応酬は続きそうです。
東アジアや中東のニュースを理解するためには、こうした複雑な力学を知ることが不可欠。ある地域の出来事が、すぐにもう一方へ波及する時代です。