日本上陸!ウゴービ・マンジャロ、韓国発「奇跡の痩せ注射」が変える肥満治療の未来

韓国発の肥満治療革命が日本に上陸!
皆さんは韓国で大きな話題となっている肥満治療薬ウゴービとマンジャロをご存知でしょうか?これらの革新的な治療薬が、ついに日本でも本格的な展開を見せています。
韓国では、英国での処方拡大が大きなニュースとなりました。英国では一般医(GP)を通じてマンジャロの処方が可能になり、ウゴービもNHS専門クリニックや個人購入で入手できるようになったのです。これは肥満treatment における歴史的な転換点と言えるでしょう。
日本では2024年12月27日にゼップバウンドという新しい肥満治療薬の製造販売が承認されました。これは糖尿病治療薬マンジャロと同じ成分チルゼパチドを含んでいます。保険診療で使用可能な肥満治療薬としては、昨年のウゴービに続いて2番目となる画期的な薬剤です。
マンジャロは2023年4月18日に日本で発売され、急速な立ち上がりを見せています。田辺三菱製薬によると、2023年度上半期の売上高は31億円に達し、MDVのデータでは処方患者数ベースで39%、金額ベースで24%のシェアを獲得しています。虎の門病院の門脇孝院長も肥満のある患者ではファーストチョイスで使われる局面もあると語っており、その効果の高さが医療現場で認められています。
驚異の科学メカニズム:GLP-1とGIPの二重作用

ウゴービとマンジャロの作用メカニズムは、従来のダイエット方法とは根本的に異なります。これらの薬剤は、体内で自然に分泌されるホルモンを模倣することで、食欲を抑制し体重減少を促進するのです。
ウゴービに含まれるセマグルチドは、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体に作用します。GLP-1は食後に腸から分泌されるホルモンで、満腹感を脳に伝える重要な役割を果たしています。週1回の皮下注射により、このホルモンの働きが持続的に維持され、食欲が自然に抑制されるのです。
一方、マンジャロはさらに進歩した薬剤です。チルゼパチドという有効成分は、GLP-1受容体だけでなく、GIP(グルコース依存性インスリノトロピックポリペプチド)受容体にも作用します。この二重作用により、食欲抑制に加えて血糖値の改善や代謝の向上も期待できるのです。
臨床試験では、マンジャロを週1回、72週間投与した結果、体重が平均20%減少したと報告されています。同様にウゴービも68週間の投与で平均15%の体重減少が確認されており、両薬剤とも従来の肥満治療法を大きく上回る効果を示しています。患者は通常、低用量から開始し段階的に増量していくため、副作用を最小限に抑えながら最適な効果を得ることができます。
衝撃の臨床結果:マンジャロがウゴービを上回る効果
両薬剤の直接比較臨床試験SURMOUNT-5の結果は、医療界に衝撃を与えました。この試験では、マンジャロ投与群の平均体重減少率が20.2%に達し、ウゴービ投与群の13.7%を大幅に上回ったのです。体重減少量でも、マンジャロ群が平均22.8kg、ウゴービ群が15kgと明確な差が確認されました。
さらに注目すべきは、マンジャロ投与群の15%以上体重減少達成率が64.6%だったのに対し、ウゴービ投与群は約47%にとどまったことです。これは統計的に有意な差であり、マンジャロの優位性を明確に示しています。
アメリカの市場データでも、マンジャロは2023年12月から市場シェア首位を走っており、2025年3月時点で7.2ポイントの差をつけています。週間新規処方件数でもウゴービを上回る状況が続いており、医療現場での評価の高さがうかがえます。
日本国内のクリニックでも、肥満を合併した2型糖尿病患者において、マンジャロがファーストチョイスとして選択されるケースが増えています。処方経験のある医師の94%が処方増加の意向を示しており、その効果と安全性が高く評価されていることが分かります。
知っておくべき副作用と安全性の課題
これらの革新的な治療薬には、注意すべき副作用も存在します。最も一般的な副作用は消化器系の症状で、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などが約30%の患者で報告されています。特に治療開始初期に症状が強く現れる傾向があります。
より深刻な副作用として、胆嚢炎や胆管炎のリスクが1.3〜1.5倍に増加することが報告されています。これらの症状は腹痛、発熱、黄疸などで現れ、場合によっては入院治療が必要になることもあります。そのため、治療開始前には必ず医師による詳細な問診と検査が必要です。
チルゼパチドはGLP-1とGIP両方の受容体に作用する初めての薬剤であるため、長期的な安全性データはまだ蓄積段階にあります。現在も継続的な安全性モニタリングが行われており、新たな副作用情報が判明した場合は速やかに医療現場に共有される体制が整っています。
また、これらの薬剤は経口避妊薬の吸収を阻害する可能性があるため、妊娠可能年齢の女性は追加の避妊方法を併用することが推奨されています。妊娠中、妊娠を計画中、授乳中の女性は使用を避ける必要があり、適切な避妊指導も治療の重要な要素となっています。
日本での処方状況と保険適用の現実
日本におけるこれらの薬剤の処方状況は複雑です。マンジャロは2型糖尿病治療薬として保険適用されていますが、肥満症治療での使用は適応外となり、自由診療での処方となります。一方、ウゴービはBMI30以上、またはBMI27以上で肥満関連健康障害がある場合に保険適用されます。
しかし、実際のクリニックでの処方は限定的です。多くの医療機関では、ウゴービおよびゼップバウンドの処方を行っていないのが現状です。これは薬剤の高額さ、副作用管理の複雑さ、適応基準の厳格さなどが要因となっています。
2024年6月4日にはマンジャロの限定出荷が解除されましたが、それまでは7.5mg以上の高用量製剤の入手が困難な状況が続いていました。これは海外での予想を超える需要増加と、一部クリニックでの不適切な処方方法が原因でした。アメリカでの薬価が日本の5倍以上であるため、高用量製剤が海外に優先的に供給されたことも要因の一つです。
現在、多くのクリニックでは食事療法と運動療法を十分に行った上で、それでも改善が見られない場合にのみこれらの薬剤の使用を検討しています。安易な処方は行わず、患者の生活習慣改善を最優先とする姿勢が重視されています。
コスト面での課題と患者負担の実情
これらの薬剤の最大の課題の一つが高額な治療費です。日本では用量に関係なく同一価格設定となっており、韓国と比較して患者負担が重い状況です。マンジャロ5mgの場合、3割負担の患者で月額4,618円、15mgでは13,853円となり、長期治療では相当な経済的負担となります。
研究論文によると、韓国の肥満・糖尿病合併患者は日本の患者と比較して最大5倍も安い費用で治療を受けることができるとされています。この価格差は、両国の薬価政策の違いによるものですが、日本の患者にとっては治療アクセスの大きな障壁となっています。
自由診療での肥満治療の場合、さらに高額な費用が必要となります。多くのクリニックでは月額3万円から5万円程度の費用がかかり、年間では数十万円の治療費となることも珍しくありません。この高額な費用により、経済的に余裕のある患者のみが治療を受けられる状況が生まれています。
一方で、これらの薬剤の効果を考慮すると、長期的な医療費削減につながる可能性も指摘されています。肥満関連疾患の予防や改善により、将来的な医療費負担が軽減される可能性があるためです。今後の薬価改定や保険適用拡大により、より多くの患者がアクセスできる環境が整備されることが期待されています。
日本の肥満治療の未来と期待される変化
これらの革新的な治療薬の登場により、日本の肥満治療は大きな転換点を迎えています。従来の食事制限や運動療法中心のアプローチに加えて、科学的根拠に基づいた薬物療法が選択肢として確立されつつあります。
日本肥満学会では、これらの薬剤を適切に使用するためのガイドライン策定が進められています。美容・痩身・ダイエット目的での適応外使用は推奨されておらず、医学的な適応がある患者に対してのみ、糖尿病専門医や肥満症専門医による慎重な処方が行われています。
今後期待される変化として、個別化医療の進展があります。患者の遺伝的背景、代謝特性、ライフスタイルに応じて最適な治療薬を選択する時代が到来しつつあります。また、デジタルヘルス技術との組み合わせにより、より効果的で安全な治療が可能になると予想されます。
韓国での成功事例を参考に、日本でも段階的な保険適用拡大や薬価の適正化が検討される可能性があります。特に、予防医学の観点から肥満症治療への投資が重要視される中、これらの薬剤へのアクセス改善は社会全体の健康増進につながる重要な課題となっています。医療技術の進歩とともに、より安全で効果的な肥満治療の実現が期待されています。