イスラエルの同盟国が見る戦争犯罪の証拠蓄積、ガザでの国際的忍耐も限界に

イスラエルの国際的孤立が深まる現状
皆さんはご存知でしたか?2023年10月7日のハマスによる壊滅的な攻撃から約2年が経過し、イスラエルは世界舞台でますます孤立を深めているのです。約1200人のイスラエル人が殺害された残忍な襲撃の後に始まった広範な国際的同情は、今やイスラエルのガザでの軍事対応に対する批判の高まりへと変化しています。
この国際的感情の変化は、イスラエルの軍事作戦の規模と性質に対する懸念の高まりを反映しています。当初イスラエルの自衛権を支持していた国々も、今やその対応が直面した脅威に比例していたかどうかを疑問視しています。BBCの報道によると、現在イスラエルは一つずつ友人を失っている状況で、10月7日のハマス攻撃後にイスラエルを支持していた国々も、イスラエルがガザ地区で行っている行動に対して次第に忍耐を失っています。
特に注目すべきは、イスラエルの最も重要な同盟国の一つであるドナルド・トランプ米大統領でさえ、ネタニヤフ首相がシリアの新政権を標的としたダマスカス爆撃を命じたというニュースに驚愕し、忍耐を失いつつあるという報道が出ていることです。この支持の侵食は、イスラエルが自らの行動を正当化し、重要な軍事・外交支援を維持するために国際的な支援が必要な重要な時期に起きています。
西側同盟国による前例のない共同非難

2025年7月21日、イギリス、複数のEU諸国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本の外務大臣らがイスラエルの行動を非難する力強い共同声明を発表しました。この声明は、イスラエルの伝統的な西側同盟国による最も厳しい批判の一つとなり、ガザの民間人の苦痛が新たな極限に達したと宣言しました。
大臣らは、イスラエルの援助配給モデルを危険なものとして具体的に批判し、それが不安定を煽り、パレスチナ人から人間の尊厳を奪っていると非難しました。彼らは、援助の小出しと呼ぶものと、水や食料といった最も基本的なニーズを満たそうとする民間人、特に子どもたちの非人道的な殺害を非難しました。声明では、人道支援を求める中で800人以上のパレスチナ人が殺害されたことが明らかにされ、この状況を恐ろしいものと表現しています。
声明書では「ガザ地区内の民間人の苦痛は新たな極限に達している」と述べられています。「イスラエル政府の救援物資配給システムは危険であり、不安を煽り、住民の人間的尊厳を侵害している。我々は救援物資を少量ずつ制限的にしか配達しない行為と共に、飲料水や食料といった基本的な生存のために立ち上がった民間人、特に子どもたちが非人道的に殺害されている現実を非難する。救援物資を得ようとして今まで800人を超えるパレスチナ人が殺害されたことは恐ろしいことだ」としています。
戦争犯罪の証拠が継続的に蓄積
複数の国際機関が、イスラエル軍によってガザで組織的な戦争犯罪が行われていると記述する事態を文書化していることをご存知でしたか?国連人権高等弁務官事務所は2025年6月24日、パレスチナ自治区ガザの配給所付近で多数のパレスチナ人が殺害されていることについて、民間人に対する食料の「兵器化」は戦争犯罪に該当すると表明しました。
事務所の報道官は、ジュネーブでの記者会見で、イスラエルの支援を受けている「ガザ人道財団」が5月下旬にガザでの活動を開始して以来、同財団の配給所に向かう途中で410人以上がイスラエル軍の砲撃や爆撃によって命を奪われたと指摘しました。「絶望し、飢えに苦しむ数十万人の人々は、生き延びるために、食料を得るために殺される危険を冒すという人道に反する選択を強いられている」とし、「これはイスラエルの軍事化された人道支援の仕組みである」と主張しました。
また、「民間人に対する食料の兵器化は、生命維持に必要なサービスの利用を制限・妨害するものであり、戦争犯罪に該当する。特定の状況では、国際法における他の犯罪の要件にも該当する可能性がある」と述べました。イスラエルが戦争犯罪の有罪となる可能性についての質問には、「法廷がその判断を下す必要がある」と応じました。イスラエルは戦争犯罪の関与を否定し、責任は民間人に紛れ込んでいるイスラム組織ハマスの戦闘員にあると主張していますが、ハマスはイスラエルの見解を否定しています。
人道危機が臨界レベルに到達
ガザの人道状況が前例のないレベルまで悪化し、国際機関が基本的な支援を提供するのに苦労していることをご存知でしたか?日本赤十字社の報告によると、イスラエルとガザとの間では2025年1月に一時的な停戦合意が発効しましたが、3月には再び武力衝突が激化し、ガザではすでに壊滅的だったインフラがさらに破壊され、医療・水道・電力といった基本的なサービスがほとんど機能していない状況です。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によれば、3月以降、新たにガザ地区の全人口の約3分の1にあたる約71万4000人が避難を強いられました。燃料の枯渇により集中治療室(ICU)や透析施設、上下水道、通信網などの生命維持に関わるサービスが停止の危機にひんしています。食料配給所や避難所への攻撃も相次いでおり、5月下旬以降だけでも、食料を求める市民600人以上が死亡、4500人以上が負傷しています。
人道支援職員の犠牲も増え続けており、さらに5歳未満の子どもを中心に急性栄養不良の発症の増加や、衛生環境の悪化による感染症の流行も深刻化しています。こうした状況の中、ガザ全域の85%が退避命令または立ち入り制限の対象となっており、人々は極めて限られた空間での避難生活を余儀なくされています。NHKの報道によると、ガザ地区では7月28日だけで過去24時間で81人が死亡し、これまでの死者は5万6412人にのぼったと発表されています。
国際刑事裁判所が行動を開始
国際刑事裁判所(ICC)がネタニヤフ首相と前国防大臣ヨアヴ・ガラント氏に対し、ガザでの戦争犯罪と人道に対する犯罪の疑いで逮捕状を発行したことをご存知でしたか?ICCは2024年11月21日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアヴ・ガラント前国防相に対し、人道に対する罪と戦争犯罪の容疑で逮捕状を発行しました。
ICCは、パレスチナ自治区ガザ地区で、ネタニヤフ首相とガラント前国防相が戦争手段として飢餓という戦争犯罪に刑事責任を負うと信じるに足る合理的な根拠があると判断しました。さらに、食料や水、電気、燃料、特定の医療物資の不足がガザで民間人の一部の破壊をもたらす生活条件を作り出し、その結果、子どもを含む民間人の死亡をもたらしたと信じるに足る合理的な根拠があると判断しました。
これに対し、ネタニヤフ首相はICCの決定を「反ユダヤ的」と非難しています。逮捕状は理論的にネタニヤフ首相の国際旅行を制限するもので、裁判所の124の加盟国のいずれかが彼らを自国の領土で逮捕することを義務付けられることになります。イスラエルと同盟関係にあるアメリカはICCに加盟していませんが、逮捕状が出たことで日本を含む124の国や地域を訪問した場合、逮捕される可能性があり、今後、外交活動などが制限されることも想定されます。
政治的計算と停戦の見通し
ネタニヤフ首相の政治的生存が紛争の継続と密接に結びついていることをご存知でしたか?イスラエルのクネセト(議会)は2025年10月まで続く夏季休会に入る予定で、これによりネタニヤフ首相は、ガザ地区での停戦に反対する連立内の極右勢力からの不信任案の脅威を一時的に回避できることになります。これらの極右派閥は、連立離脱を示唆して圧力をかけたため、ネタニヤフ首相は停戦交渉に消極的な態度を示してきました。
ロイターの報道によると、ネタニヤフ氏は今後、ガザ戦争の終結に向けた交渉を進めるよう圧力を受けるでしょう。野党などはネタニヤフ氏が政治的責任を問われるのを避けるために戦争を長引かせていると非難してきました。こうした先延ばしはもう許されないという声が高まっています。野党指導者ヤイル・ラピド氏は「次はガザだ。今こそあそこも決着をつけるときだ。人質を取り戻し、戦争を終わらせ、イスラエルは再建を始めるべきだ」と訴えています。
もしネタニヤフ首相が今後失脚することになれば、10月7日事件に対する公式調査が開始され、長期化している汚職疑惑の裁判も速やかに開始される可能性があります。停戦の可能性は次第に高まっている様子で、これはガザ地区の民間人と長時間拘束されているハマスの人質の生存可能性を高めることになります。しかし、紛争の終結を意味するわけではありません。今回の戦争はこれまで以上に深い傷を残しました。
日本を含む国際社会の対応と今後の展望
日本を含む国際社会がイスラエルに対してどのような対応を取っているかご存知でしたか?2025年7月21日の共同声明には日本も参加し、イスラエルの行動を規弾する立場を明確にしました。これは、日本がこれまで比較的慎重だった中東問題において、より積極的な立場を取ったことを示しています。
イギリス政府は6月10日、カナダ、ノルウェー、オーストラリア、ニュージーランドと共同でイスラエルのベングビール国家治安相とスモトリッチ財務相に制裁を科すことを発表しました。これらの措置は、イスラエルの極右閣僚の過激な発言と行動に対する西側諸国の懸念を反映しています。
停戦に関しては、ネタニヤフ首相が2025年7月9日に人質家族と面会し、現在カタールで交渉している60日間の停戦案について説明しました。同首相は、今回の60日間の停戦案では「生存者と死亡者を含む人質の半数の解放を目指している」とし、停戦開始時に恒久的な戦闘終結に向けた交渉を開始すると述べました。しかし停戦が成立したとしても、殺傷の代わりに外交で解決できるもう一つの機会が開かれるということであり、根本的な紛争の解決には長い時間がかかると予想されます。今回の戦争はこれまでのどの紛争よりも深い傷跡を残しており、和解への道のりは困難を極めるでしょう。
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