延世大学と高麗大学の建物、何がそんなに違うの?歴史と文化が交差するキャンパスの秘密

はじめに:なぜ延世大学と高麗大学の建物は話題になるのか
みなさん、延世大学と高麗大学のキャンパスを歩いたことはありますか?ライバルとして有名なこの2校ですが、実は建物の雰囲気や歴史が全く異なります。この記事では、両大学の建築がどのように韓国の近代史、文化、そして学生コミュニティの誇りと結びついているのかを紹介します。
韓国のネットコミュニティやブログでは「どちらのキャンパスが美しいか」「建物の歴史的価値は?」など、熱い議論が繰り広げられています。今回はその背景に迫ります。
延世大学:王朝の伝統とアメリカンデザインの融合

延世大学の最大の特徴は、韓国伝統と西洋建築の絶妙なミックスです。キャンパス内には1900年に朝鮮王朝が建てた木造建築「スギョンウォン」や1899年の「碑閣」など、王室ゆかりの建物が現存しています。
一方で、1920年代からはアメリカの建築事務所Murphy & Danaが設計を担当し、当時のアメリカ人教授エドワード・ミラーが施工を監督。スティムソン館(1920年)は延世で最初の石造建築で、アメリカの寄付で建てられました。ピンソン館(1922年)は詩人・尹東柱が住んだ寮としても有名です。
これらの建物は文化財庁にも認定されており、韓国の近代教育と西洋文化受容の象徴となっています。
延世大学の代表的建物とそのストーリー
スティムソン館はゴシック調のアーチとシンプルな石造外壁が特徴。1981年に史跡第275号に指定され、延世の象徴的存在です。ピンソン館は国家登録文化財第770号で、尹東柱が詩作に没頭した場所として学生に親しまれています。
アンダーウッド館(1924年)、アッペンゼラー館(1924年)も石造・ゴシック様式で、当時の西洋大学の雰囲気を色濃く残しています。アンダーウッド家記念館(1927年)は韓国戦争で一部破壊されましたが、現在は復元され、延世の歴史を伝えるミュージアムとなっています。
高麗大学:ゴシック建築と民族的誇り
高麗大学は、韓国人建築家によるゴシック様式の大規模な石造建築が特徴です。1934年竣工の本館や1937年の大学院館は、地元の花崗岩を用い、中央塔や虎の彫刻など、韓国的なシンボルを強調しています。
日本統治時代に「民族の誇り」として建設されたこれらの建物は、韓国の独立精神や大学のアイデンティティを象徴し、政府の歴史的建造物にも指定されています。
2025年には新しい人文館の建設も始まり、伝統と革新のバランスを追求しています。
素材・スタイル・象徴性の比較
延世大学は木造と石造が共存し、アメリカ的な合理性と韓国伝統の融合が特徴です。王室建築や西洋式寮など、多様な時代と文化が交錯しています。
高麗大学は一貫して花崗岩のゴシック建築を採用し、民族的自立心と団結を強く打ち出しています。
どちらも近年は新しい研究棟や施設が増えていますが、歴史的建物が今も大学の「顔」となっています。
2025年最新ニュース:リノベーションとコミュニティの声
延世大学は2025年、最先端の量子科学研究施設「クォンタムコンプレックス」を新設。伝統的な建物と最先端技術が共存するキャンパスとして注目されています。
高麗大学も120周年を迎え、新人文館の建設や老朽化した建物のリノベーションが進行中。環境配慮型のグリーン建築認証も取得し、持続可能なキャンパス作りを推進しています。
両校とも、学生や地域住民との対話を重視し、コミュニティとの共生を模索しています。
コミュニティの反応:学生・市民のリアルな声
韓国のディシインサイド、インスティズ、FMコリアなどの掲示板では、「延世のキャンパスは歴史の重みが感じられる」「高麗の本館はまるで城みたい」といった声が多いです。一方で「古い建物の管理が大変」「新旧のバランスが難しい」という意見もあり、両校とも伝統と革新の間で悩みながらも、誇りを持ってキャンパスを守っています。
新しい寮や研究棟の建設では、地域住民との調整や環境問題も話題になっています。
文化的インサイト:海外ファンが知っておきたい背景
延世大学は西洋との交流、近代化、王朝時代の伝統が融合した「生きた博物館」。高麗大学は民族的自立と団結の象徴。両校とも、建物そのものが韓国の近現代史を物語っています。
韓国の大学キャンパスは、単なる学びの場ではなく、社会や文化の変遷を体感できる場所。どちらを訪れても、韓国の「今」と「昔」を感じられるはずです。
まとめ:ライバルを超えた、歴史と文化のキャンパスツアー
延世大学も高麗大学も、建物一つひとつに物語があります。静謐な歴史空間が好きなら延世、壮大なゴシック建築に圧倒されたいなら高麗。どちらも韓国の文化と誇りを体現する、唯一無二のキャンパスです。
みなさんはどちらのキャンパスを歩いてみたいですか?