李韓周国政委員長「李在明政府の実質的な第一国政課題は人材確保」韓国史上最悪の頭脳流出危機に直面

韓国政府が人材確保を最優先課題として宣言
李在明政府の国政企画委員会を率いる李韓周委員長が、7月17日に開催された人材育成・誘致・流出対応討論会で衝撃的な発言を行いました。「われわれ政府の事実上の第一の国政課題は人材を確保すること」と明言したのです。
この発言は韓国が直面している深刻な人材流出問題を象徴しています。討論会には李委員長をはじめとする国政委員のほか、SKハイニックス、現代自動車、カーニーコリアなどの主要企業、産業通商資源部、雇用労働部、法務部、教育部、科学技術情報通信部などの関係部署の関係者が参加しました。
特に注目すべきは、李在明大統領が7月7日に金敏石総理との昼食会で、国内人材流出を防ぎ、AIとバイオなどの分野で最高級人材確保対策を指示したことです。これは韓国の人材危機が政府の最高レベルで認識されていることを示しています。
ソウル大学教授56人が海外流出、その衝撃的な現実

教育部・科学技術情報通信部の最新集計によると、2021年から今年5月までの5年間で、ソウル大学だけで56人の教授が海外の大学に転職したことが明らかになりました。このうち41人がアメリカの大学に移り、残りは香港、シンガポール、日本、オーストラリア、中国などに向かいました。
分野別では人文社会系が28人で最も多く、自然科学12人、工学12人、芸術体育3人、医学1人の順でした。韓国科学技術院(KAIST)をはじめとする4大科学技術院でも、同期間に18人が海外大学に移籍したことが判明しています。
これらの数字は、韓国の最高学府である大学の教授陣までもが海外に流出している深刻な現実を物語っています。かつて韓国で大学教授の職は最も安定した職業の一つとして認識されていましたが、今やその地位も国際競争の波にのまれているのが現状です。
AI人材流出、OECD最悪レベルの危機的状況
韓国のAI分野における人材流出は特に深刻です。大韓商工会議所SGI(持続成長イニシアチブ)の2025年報告書によると、韓国のAI人材純流出率は2024年基準で人口1万人当たり-0.36人を記録し、OECD 38カ国中35位という最悪レベルに位置しています。
これはルクセンブルク(+8.92人)、ドイツ(+2.13人)、アメリカ(+1.07人)などの主要先進国とは正反対の状況です。注目すべきは、2020年には韓国がAI専門家の純増加を記録していたことですが、わずか4年でこの状況が完全に逆転してしまったことです。
ソフトウェア政策研究所(SPRi)の2023年報告書では、国内AI人材不足が8,579人に達し、これは3年前の1,609人に比べて5.3倍も増加した数値だと報告しています。AI人材自体は1万4,736人から5万1,425人へと大幅に増加しましたが、需要増加の速度についていけないのが現実です。
地域格差と首都圏集中の悪循環
李韓周委員長は討論会で地域間人材格差の深刻さについても言及しました。「全南大学がAI特化大学として関連学生を多数受け入れているが、人材の大部分がソウルか外国に出て行き、光州のAI業界では使える人材が不足していると苦情を聞いた」と述べたのです。
この発言は韓国の人材流出問題が単純に海外への流出だけでなく、地方から首都圏への集中という二重の構造を持っていることを示しています。地方大学が優秀な人材を育成しても、その人材が地域に残らず首都圏や海外に流出してしまう現象は、韓国の地域均衡発展にとって致命的な問題となっています。
特にAI分野では、地方にも特化された教育機関があるにもかかわらず、卒業後の進路は依然として首都圏や海外に集中している実情が明らかになりました。これは地方の産業発展を阻害し、国家全体の成長潜在力を削ぐ要因となっています。
政府の総合対策と産業界の協力
李在明政府は人材流出問題に対する総合的な対策を講じています。AI産業への100兆ウォン投資、国家AI データ統合クラスターの構築、5万台以上のGPU確保、神経網処理装置の開発などの具体的な計画を発表しています。
また、地域大学にAIカレッジを設立し、STEM教育を強化し、AI人材のための特別軍事服務機会を拡大する方針も明らかにしました。しかし、実施過程では重大な挑戦に直面しているのが現実です。
監査院の最近の監査では、政府の半導体人材養成計画に重大な欠陥があることが明らかになり、2022年に発表されたK-半導体戦略にもかかわらず、2031年までに最低5万人の労働者不足が予想されるという問題点が指摘されました。これは基本的な企画の前提が間違っていたことを示唆しています。
低出産時代の人材、唯一の解決策
李韓周委員長は「われわれにとって人材は低出産の中でほぼ唯一の解決方法」と強調しました。韓国が世界最低水準の出生率に直面している状況で、既存の人材を効率的かつ持続的に活用することが国家競争力の核心要素になっているということです。
「人材養成はおろか人材が流出するばかりで、一地域に集中させることは、おそらくわれわれの成長潜在力を低下させる最も基本的な要素」という李委員長の指摘は、韓国が直面している構造的問題の深刻さを如実に示しています。
国政企画委員会は現在、この認識をどのように国政計画に反映させるかについて総合的に検討中です。人材確保が単純な政策課題を超えて、国家存続と直結する戦略的課題として認識されているのです。人材流出を防ぎ、優秀な人材を誘致・育成することが、低出産時代の韓国にとって最も重要な国政課題となったことは間違いありません。
未来への挑戦と長期戦略の必要性
韓国の人材危機は単純な政策的対応を超えて、根本的なシステム変化が必要な状況です。産業界では既に本社移転や海外進出を通じて人材確保に乗り出している企業もあり、韓国で会社を設立しても本社をアメリカに移すなどの戦略を取っている場合もあります。
学術界も教員確保と発展に向けた新たなアプローチが必要です。ソウル大学AI研究院の張炳卓院長は、グローバル技術大企業の財政的資源に即座に匹敵することはできないため、優秀な研究チーム育成などの代替案の必要性を強調しています。
国政企画委員会が人材確保を政府の主要課題として認識したことは、より包括的で協調的なアプローチへの潜在的な変化を示しています。しかし、成功のためには持続的な約束、適切な資金調達、そして即時的な人材確保需要と長期的な競争力の両方に対応する革新的な解決策が必要です。委員会の現在の審議内容を国政計画にどう反映させるかが、技術主導経済としての韓国の未来にとって決定的に重要になるでしょう。
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