韓国国会に激震:与党が主要委員長を強行選出、野党は全面ボイコットと抗議

■ 何が起きた?国会での前代未聞の対立
2025年6月27日、韓国国会はかつてない緊張感に包まれました。与党「共に民主党」は、法制司法委員会・予算決算特別委員会・文化体育観光委員会・運営委員会など主要な常任委員長を一括で自党議員から選出しました。これに対し、最大野党「国民の力」は本会議をボイコットし、議場から一斉退場。その後、国会ロビーで「中立放棄の国会議長に国民は怒っている」「無謀な議会暴走、民主党式協治破壊」と書かれたプラカードを掲げ抗議集会を開きました。
このような大規模なボイコットと抗議は、韓国議会史上でも異例です。与党側は「民生法案や補正予算の迅速な処理が必要」と主張し、野党側は「民主主義と議会の伝統を踏みにじる暴挙」と強く反発しています。
■ 背景と経緯:なぜここまで対立が激化したのか

この対立の背景には、2025年の大統領選挙後の政局があります。李在明大統領率いる民主党が国会の多数を維持する一方、野党は監視・牽制のため主要委員長ポストの分配を要求。特に法制司法委員長と予算決算特別委員長は、法案審査や予算執行において絶大な影響力を持つため、与野党間で激しい攻防が繰り広げられてきました。
数度にわたる交渉も決裂し、与党は「これ以上遅らせられない」として強行採決に踏み切りました。野党は「国会の慣例では第1党が議長、第2党が法司委員長を務めるのが伝統」と主張し、与党の独断を非難しています。
■ 委員長ポストの重要性とその影響
韓国国会において常任委員長は、法案の審査・修正・可決の流れを左右する極めて重要な役割を担っています。特に法制司法委員会は、ほぼ全ての法案が通過する「ゲートキーパー」として機能し、予算決算特別委員会は政府予算の配分を決定します。
今回、民主党が全ての主要委員長を独占したことで、今後の法案審議や政策実行が与党主導で進む可能性が高まりました。これに対し、野党や市民団体からは「立法独裁」「民主主義の危機」といった懸念の声が上がっています。
■ 政治家たちの発言と現場の緊張感
国民の力・宋彦錫(ソン・オンソク)院内代表は「李在明大統領は協治を約束したが、すべて嘘だった。政権発足1か月で政治も協治も崩壊した」と強く非難。与党側は「野党が委員会構成に協力しないため、やむを得ず強行した」と反論しています。
両陣営は記者会見やSNSで互いを非難し合い、議会外でも抗議集会やキャンペーンを展開。今後さらに対立が激化する可能性も指摘されています。
■ オンラインコミュニティ・ブログの反応:社会の分断と多様な声
韓国の主要オンラインコミュニティ(DC Inside、FM Koreaなど)では、「与党の強硬策は必要だったのか?」「野党のボイコットは政治的パフォーマンスでは?」といった議論が活発です。
ネイバーやティストリーのブログでも賛否が分かれ、「野党は建設的な提案もせず抗議ばかり」「与党は多数派の力で反対意見を押しつぶしている」といった意見が見られます。
代表的なコメント:
- 「野党が協力しないなら、与党が動くしかない」
- 「これは政治ショーにすぎない。本当の課題は?」
- 「民主党は多数を乱用している。バランスが必要」
- 「どちらも誠実な交渉をしていないのが問題」
■ 文化的背景とファンダム視点:なぜ国際的にも注目されるのか
韓国の議会対立は、外から見ると過激に映るかもしれませんが、これは韓国社会の急速な民主化と激しい政治文化の表れです。議会でのボイコットや抗議、時に物理的衝突まで起きるのは、韓国政治の「DNA」とも言えます。
K-POPやK-ドラマファンにとっても無関係ではありません。文化体育観光委員会はエンタメ産業政策を所管しており、ここでの議論や混乱が世界のファンダムにも影響を及ぼす可能性があります。
■ 今後の展望:国会はどこへ向かうのか
民主党が主要委員長ポストを独占したことで、労働法・メディア改革・農業政策など40本以上の法案が一気に進む可能性があります。一方、国民の力はフィリバスターや追加抗議を示唆し、対立の長期化も予想されます。
2025年7月現在、国会は依然として「戦場」と化しており、国民の政治不信も高まっています。今後、対話と妥協がなされるのか、それともさらなる混迷に陥るのかが注目されています。