韓国葬儀文化に革命！京畿道、6つの病院葬儀場でリユース容器導入完了

韓国の葬儀文化に起きている静かな革命とは？

皆さんは韓国の葬儀文化が大きく変わりつつあることをご存知でしょうか？2025年7月16日、京畿道は京畿道医療院傘下の6つの病院（水原、利川、安城、議政府、抱川、坡州）葬儀場すべてでリユース容器システムの導入を完了したと発表しました。

この画期的な「葬儀場リユース容器レンタル・洗浄サービス支援事業」は、総額6億2700万ウォンの道費を投じて推進されました。従来の使い捨て容器に代わって、ステンレス製の食器を提供し、使用後は専門業者が回収・洗浄を行うシステムです。

韓国の葬儀場は短時間に多くの弔問客が食事をするため、大量の使い捨て食器が使用される代表的な場所です。環境部の資料によると、全国の葬儀場から年間約3億7000万個（2300トン）の使い捨て用品が排出されています。この事業により、年間約200万個の使い捨て用品をリユース容器に転換することを目標としています。

なぜ葬儀場でリユース容器が必要なのか？

韓国の葬儀場は使い捨て用品の規制の死角地帯とされてきました。現行の資源再活用法令により、調理・洗浄施設がないという理由で使い捨て用品の使用が許可されていましたが、大量の廃棄物排出により環境汚染を助長しているという指摘が続いていました。

全国の葬儀場から排出される使い捨て廃棄物は年間3億7000万個（2300トン）に達し、そのほとんどが食べ物による汚染度が高く、リサイクルが不可能で大部分が焼却処理されています。この過程で大量の有害排出ガスが発生するのです。

ソウル市が2025年1月から5月まで実施した調査によると、累計63万4260人分のリユース容器が使用され、1日平均2万997人規模の利用実績を記録しました。この中でサムスンソウル病院だけでも38万1300人分が使用され、全体使用量の60.1%を占めています。

具体的な運営方式と利用者の反応

リユース容器サービスは喪主の要請に応じて提供され、一部の葬儀場では専用の接客室を指定して運営されています。8種類のステンレス製食器（ご飯茶碗、汁椀、各種皿、調味料容器、箸・スプーン）が提供され、使用後は専門業者が回収・洗浄・消毒・乾燥過程を経て再び葬儀場に供給されます。

利用者の満足度も非常に高く、先月葬儀場利用客221人を対象にした調査では、「使い捨て容器に比べてリユース容器の満足度」について「満足〜極めて満足」と回答した比率が全体の94.6%に達しました。満足理由としては環境に優しい（67.9%）、衛生的（48.9%）が上位を占めました。

ネイバーブログには「장례식장 다회용기 써보니」という投稿で、水原での初体験を記録した家族の声が掲載されています。プラスチックより重いが、故人の精神により敬意を表す感じだったという感想が印象的です。

オンラインコミュニティの反応と文化的意味

韓国のオンラインコミュニティでは、この政策に対する様々な反応が見られます。Theqoo（더쿠）では「プラスチック袋禁止後の論理的な進展」として肯定的に評価する声がある一方、Pann（빤）では「金属の重さが便利性を損なう」という意見もあります。

Instiz（인스티즈）では「ポリスチレンの割れる音に代わって鋼鉄の箸の音がようやく聞こえる」という投稿がバイラルになりました。EFemKorea（이펨코리아）では、一部の高齢者が「冷たい鋼鉄」が故人を敬うのに適さないのではないかと懸念を表明する投稿も見られました。

しかし、大部分のコメントは施設周辺のゴミ削減を歓迎する内容で、「館内のゴミ悪臭が大幅に改善された」「清掃スタッフの労働環境が良くなった」といった具体的な変化を報告する声が多く見られます。

民間部門への拡大とESG経営

京畿道の成功事例は民間部門にも波及効果をもたらしています。サムスンソウル病院は2025年1月から葬儀場全体でリユース容器を導入し、5ヶ月間で前年比一般廃棄物20トンを削減する効果を上げました。全体に拡大すれば100トン以上の削減が期待されます。

キョウォン生命（교원라이프）も民間部門の先駆者として、直営運営する7つの葬儀場のうち3つでリユース容器を導入しました。これにより江原、金海、浦項施設で年間111万個の使い捨て製品使用削減を見込んでいます。

Tistoryブログでは「장례식장 다회용기 후기」というタイトルで、坡州の民間葬儀場での実際の体験談が共有されています。最初は不慣れだったが、故人への敬意と環境保護を同時に実現できる意義深い変化だったという内容です。

今後の展望と課題

京畿道は市郡別の条件と葬儀場運営環境を考慮し、民間まで段階的に拡大することを検討しています。現在、容器回収率が一部地域で50-60%にとどまるという課題があり、これを解決するため500-1000ウォンのデポジット制度を導入し、回収率を93-98%まで向上させました。

文化的な抵抗も課題の一つです。一部の家族は伝統的な慣行を維持することを好み、どんな変化も故人に対する不敬と見なす傾向があります。しかし、段階的な導入アプローチにより、家族が自分たちの快適さと価値観に基づいて選択できるようにすることで、文化的な摩擦を最小化しています。

2030年までに京畿道は葬儀廃棄物の70%削減を目標とし、弔問を韓国式循環経済のモデルに転換することを計画しています。この政策は韓国の最も伝統的な文化の一つを変革することで、環境責任と文化保存が調和して共存できることを実証しています。