国民の力内戦勃発！権英世、「韓悳洙のために160億ウォン支出」と問うた金種赫を告発
韓国保守政党を揺るがす160億ウォン疑惑の真相
2025年7月15日、韓国政治界に新たな爆弾が投下されました。国民の力の権英世前非常対策委員長が、同党の金種赫前最高委員を名誉毀損で告発すると発表したのです。この騒動の発端は、金種赫前最高委員が提起した「韓悳洙前首相のために160億ウォン（約12億円）を浪費した」という疑惑でした。
金種赫前最高委員は7月14日、自身のFacebookに「最近、汝矣島では国民の力の『捨てた金』に対する噂が盛んだ」と投稿。「党指導部が韓悳洙の名前が書かれた選挙運動服を事前に注文し、選挙車両まで契約したが、韓氏が候補になれずに160億ウォンを無駄にしたという具体的な金額まで出ている」と暴露しました。さらに「服は捨てることもできず、倉庫で埃を被っているという話もある」と詳細を述べました。
この疑惑は、2025年5月に発生した大統領候補交代騒動と密接に関連しています。当時、金文洙候補から韓悳洙前首相への候補交代を巡って党内が大混乱に陥ったことは記憶に新しいのです。韓国の政治ファンなら知っているように、韓悳洙氏は経済官僚出身で高い能力を持つ人物ですが、党員でもない人物を候補にするための準備に巨額の資金を投じたという疑惑は、保守支持者にとって衝撃的なニュースでした。
権英世の激怒：「同僚議員の告発は不快だが、党の名誉のために」
権英世前非常対策委員長は、金種赫前最高委員の疑惑提起に対し、異例の強い反発を示しました。権氏は7月15日、自身のFacebookで「私は本来告発をあまりしない。特に同じ党の同僚を告発することは非常に不快だ」としながらも、「しかし、私と我が党の名誉を守るため、やむを得ず告発しなければならない」と表明しました。
権氏は金種赫前最高委員について「昔からよく知っている後輩政治家」「有名メディアの幹部を務め、我が党に入党してからも最高委員を歴任した非常に能力のある政治家」と評価しながらも、「それでも私に対する根拠のない誹謗をするのを見ると、改めて政治が無情だと思う」と失望感を表しました。
この反応は、韓国政治の人間関係の複雑さを物語っています。権氏と金氏は長年の知り合いであり、同じ党で活動してきた仲間なのです。それでも派閥対立の激化により、最終的に法的措置に訴えるという異例の事態に発展したのです。韓国政治ファンならば、このような同党内での告発がいかに深刻な事態であるかがお分かりいただけるでしょう。
親韓東勲系 vs 親尹錫悦系：国民の力内部の派閥戦争
今回の騒動は、単純な疑惑提起と反論の域を超えて、国民の力内部の深刻な派閥対立を露呈しました。金種赫前最高委員は「親韓東勲系」として分類される人物で、一方の権英世前非常対策委員長は「親尹錫悦系」に属します。この両派閥の対立は、2025年に入ってからさらに激化しており、今回の騒動もその延長線上にあると見られています。
親韓東勲系は、前党代表の韓東勲氏を支持する勢力で、党内改革と若い世代の登用を重視する傾向があります。一方、親尹錫悦系は現職大統領である尹錫悦氏を支持し、より保守的な政策路線を志向します。両派閥は大統領選挙候補の選定過程から激しく対立しており、特に韓悳洙前首相の候補交代騒動は両派閥の対立を決定的にしました。
韓国政治に詳しい方なら、このような派閥対立は韓国の保守政党の宿命とも言えることをご存知でしょう。過去にもハンナラ党時代から、様々な派閥対立が党を分裂させてきました。今回の騒動も、そうした歴史の繰り返しと見ることができます。権英世氏が「金前最高委員がそれほど支持する韓東勲前代表のためにも良く見えない」と警告したのも、この派閥対立の文脈で理解する必要があります。
党務監査委員長の反論と疑惑の核心
権英世前非常対策委員長は、金種赫前最高委員の疑惑提起に対し、「私や当時の指導部が韓悳洙候補に100億ウォン以上の資金を支援したという悪意的な噂については、既に柳一俊党務監査委員長が事実でないことを明確に表明した」と反論しました。実際、柳一俊党務監査委員長は6月27日、「韓前首相を大統領候補として前提に党予算が推進されたことはなかった」「韓候補の名前で印刷された選挙運動服が事前製作されたという話も事実ではないことを確認した」と発表していました。
しかし、金種赫前最高委員の疑惑提起はさらに具体的でした。「党指導部が韓悳洙の名前が書かれた選挙運動服を事前注文し、選挙車両まで契約した」「金文洙がスタジオで広報撮影をした時、韓悳洙も同じ時間、同じ場所で撮影したという報道もそのためではないか」など、詳細な状況を挙げて疑問を提起しました。
この疑惑の核心は、党員でもない韓悳洙氏を候補にするために、党が巨額の資金を事前に投じたのではないかという点です。韓国の政治資金法では、候補者が確定される前に選挙準備資金を支出することには厳格な制限があります。もしこの疑惑が事実であれば、法的問題に発展する可能性もあるのです。
オンラインコミュニティの反応：保守支持者들の分裂
この騒動に対する韓国のオンラインコミュニティの反応は、保守支持者들の深刻な分裂を露呈しました。DCインサイ드の政治ギャラリーでは「権英世が正しい。こんな証拠もない疑惑を提起するのは問題だ」という親尹錫悦系支持者の意見が多数を占めました。一方、「金種赫の疑問は当然だ。党員들が知る権利がある」という親韓東勲系支持者の反論も激しく対立しました。
ネイバー政治カフェでは、より詳細な分析が行われました。「160億ウォンという金額が具体的すぎる。何らかの根拠があるのではないか」「でも柳一俊委員長が既に調査結果を発表したのに、また疑惑を提起するのは問題だ」といった議論が続いています。特に保守支持者들은「このような内部対立は野党に利用される」という懸念を強く示しました。
一方、進歩系コミュニティでは「国民の力の内部分裂が加速している」「保守政党の腐敗が露呈した」などの反応が支配的でした。PGR21などの進歩系サイトでは、「結局、保守政党も金の問題で分裂する」という冷笑的な反応が多く見られました。このような反応は、韓国政治の既存の対立構造を反映しており、今回の騒動が単純な党内問題を超えて、韓国政治全体に影響を与える可能性を示唆しています。
韓国政治文化の特徴：派閥対立と告発政治
今回の騒動は、韓国政治の独特な文化的特徴を如実に示しています。まず、派閥対立の激しさです。韓国の政党は表面上は統一されているように見えますが、内部では様々な派閥が激しく対立しています。これは韓国の政治文化に深く根ざした現象で、儒教的な師弟関係や地域主義などが複雑に絡み合った結果です。
また、「告発政治」という韓国政治の特徴も注目すべきです。政治家들이 상대방을 법적으로 고발하는 것은 한국에서는 일상적인 일입니다. 하지만 같은 당 소속 의원을 고발하는 것은 매우 이례적인 일로, 이번 사건의 심각성을 보여줍니다. 권영세 의원이 "원래 고발을 잘 안 한다"고 말한 것도 이런 맥락에서 이해할 수 있습니다.
해외 팬들이 알아야 할 또 다른 특징은 SNS를 통한 정치 소통의 활성화입니다. 이번 사건도 페이스북을 통해 시작되었고, 양측의 주요 발언들이 모두 SNS를 통해 이루어졌습니다. 이는 한국 정치의 디지털화를 보여주는 동시에, 즉각적이고 감정적인 반응이 정치적 갈등을 더욱 증폭시키는 양상을 보여줍니다.
미래 전망과 한국 보수정치에 미치는 영향
이번 사건은 국민의힘과 한국 보수정치 전반에 중대한 영향을 미칠 것으로 예상됩니다. 우선 당내 결속력이 심각하게 훼손될 가능성이 높습니다. 권영세 의원의 고발이 실제로 이루어진다면, 법정에서 당내 기밀사항들이 공개될 수 있고, 이는 국민의힘에게 치명적인 타격을 줄 수 있습니다.
또한 이번 사건은 2026년 지방선거와 2027년 대선을 앞두고 보수진영의 분열을 가속화할 수 있습니다. 친한동훈계와 친윤석열계의 갈등이 더욱 심화되면서, 보수표의 분산이 우려되는 상황입니다. 특히 젊은 보수 지지자들 사이에서는 "이런 식의 내부 갈등은 보기 싫다"는 반응이 많아, 정치적 무관심으로 이어질 가능성도 있습니다.
한편, 이 사건이 한국 정치의 투명성 향상에 기여할 수도 있습니다. 정치자금의 사용 내역과 당내 의사결정 과정이 더욱 투명하게 공개될 수 있기 때문입니다. 김종혁 전 최고위원이 "당원들이 정말 궁금하다"고 말한 것처럼, 정치자금의 투명한 관리에 대한 국민들의 관심이 높아지고 있습니다. 이는 장기적으로 한국 정치의 발전에 긍정적인 영향을 미칠 수 있을 것입니다. 해외에서 한국 정치를 지켜보는 팬들에게도 이번 사건은 한국 민주주의의 성숙도를 가늠할 수 있는 중요한 사례가 될 것입니다.
